アブラナ科の野菜といえば、葉菜、根菜の横綱と言ってもいいかもしれません。

キャベツ、ハクサイ、ダイコンといった重量級から、コマツナ、ハツカダイコンといった軽量級まで各種揃っています。

ナバナやブロッコリー のような花蕾を食べるもの、からし菜やわさびのように香辛料として使うものまでいろんな利用の仕方もされています。

今回はアブラナ科野菜の特徴について見ていきたいと思います。

原産地

地中海近辺で発生して、中国やヨーロッパ、アフリカなどに広がったとされています。

地中海気候といえば、高温で乾燥した夏が特徴。

だから、アブラナ科野菜は高温を好む?というと、そういうわけでもないところが面白いですね。

その代わり、地中海気候の温暖で多雨な冬に適応しています。

つまり、秋に発芽して越冬して、春に花を咲かせるタイプの野菜が多くなっています。

ただし、その後ヨーロッパとか中国の北部で発達していったせいか、比較的冷涼な気候を好むものが多いです。

ちなみに小麦も西アジア原産です。

アブラナ科野菜と、こういう点では似ていますね。

バーナリゼーションについて

そういうわけで、野菜栽培としては、秋頃に種をまくことは少ないです。

葉っぱとか根とか、植物体そのものを食べるので、とう立ちしないようにするためです。

アブラナ科の野菜のトウ立ちについては、バーナリゼーションという現象が知られています。

寒さに反応して、花芽のもとができるという現象です。

これには、二種類あります。

一つは、植物体バーナリゼーションというもので、キャベツやカリフラワー、ブロッコリー等がこれに当たります。

植物体がある程度の大きさになって寒さにあうと、花芽ができるタイプです。

もう一つは種子バーナリゼーションというもので、白菜や大根がこれに当たります。

発芽したタネが寒さにあうと、花芽ができるタイプです。

従って、何れにしても種まきする時期が重要となります。

結球の過程

アブラナ科で主要な野菜というと、キャベツや白菜が真っ先に挙げられるかと思いますが、これらは結球するという大きな特徴があります。

この結球は、日の長さとか温度の影響はほぼありません。

主に遺伝によります。

生育が進むとまず、葉数が増加します。

その後、外側の葉が発育していきます。

さらに、葉が直立して、相互に組み合わさって結球します。

この結球の中の葉は、光が当たらないので光合成できません。

従って、中に養分を与えるためには外葉の発育が重要となります。

発芽から収穫まで

アブラナ科野菜は、果菜と違い植物体そのものを収穫するものが多いですね。

従って、個体数がたくさん必要です。

タネをたくさんまかなければならないため、セルトレイなど小さなスペースでたくさん作ることになります。

その後、首尾よく発芽、成長して定植したとして、肥料は比較的多く必要です。

しかしながら、植物が吸った肥料分は、多くが収穫されて私たちの口の中へ入ることとなります。

その結果、土に残る肥料分は少ないということになります。

肥料浪費型の野菜と言えますね。

その代わり、時間的には果実を作るまで育てないので、短めの栽培期間で済みます。

短期決戦で回せるのはメリットですね。

タネを取る際には

アブラナ科は自家不和合性といって、同じ株の花の受粉では、受精できない性質があります。

異なる株同士であれば受精できます。

従って、とても交雑しやすいのが特徴です。

これは、例えばコマツナならコマツナといった同じ品目だけでなく、コマツナとハクサイ、というような品目の異なるものでも起こります。

でも、キャベツとコマツナであれば、交雑は起こりません。

これは、遺伝情報の解析により、染色体数が同じかどうかで決まることがわかっています。

細かい説明は省いて、主な野菜の染色体数を示すと、

n=9 キャベツ、ブロッコリー、芽キャベツ、他

n=10 小松菜、株、水菜、ハクサイ、青梗菜、他

n=18 タカナ、カラシナ、他

となります。

なお、ダイコンやハツカダイコンはn=9ですが、分類中の、科の下の属が異なるので、同じn=9でもキャベツ等とは交雑しません。

病害虫

病気は、なんぷ病、根こぶ病、べと病、立ち枯れ病などが多いです。

また、害虫としては、アブラムシ、ヨトウムシ、アオムシなどが多いです。

多分、ほとんどの人がとても虫がつきやすいことを実感していることと思います。

こまめな防除が必要ですね。

あとは、やはり連作を避けて、同じ虫が住み着かないようにしたいです。

ちなみに、野菜は、虫食いにあうと身を守るために化学防御物質を出します。

これらは、発癌性を持つものもあります。

葉っぱや根など、植物体そのものを食べるアブラナ科の野菜では、ちょっと気になりますね。

実際に食べて害が出るかどうかはともかくとして、あまり穴だらけのものは無理して食べる必要はないかと。

まとめ

アブラナ科はハクサイ、ダイコンなど主要な葉菜、根菜を含む重要な野菜群です。

栽培の上では、虫に食われやすいのが最大の難点。

面倒臭がらずに、しっかりと捕殺しましょう。

参考にした本

農文協編 農家が教える家庭菜園 秋冬編 農文協

川城英夫 野菜つくりの実際 葉菜 農文協

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