朝夕、だいぶ寒くなってきましたね。

特に、朝の清々しい空気の中で静かに野菜の世話をしていると、身も心も洗われる気がします。

しかし、しばらくすると、そんな良い気持ちに水を差す音が。

ブーンと鳴く、蚊の声。

途端に、気持ちは仙人から地獄の亡者へ。

「こら、寄ってくるな!わしはお前に血を吸われるために畑におるんじゃない!」

普段は魚や動物を捕まえて食べているくせに、自分が狩られる番になると、途端に逆上する。

今回は、私たちの心を翻弄する、そんな蚊の話題です。

秋の蚊は凶暴?

蚊といえば夏というイメージですが、個人的な感触では、秋の蚊の方が凶暴な気がします。

秋の蚊は、蚊取り線香を吊るして農作業していても、構わず攻撃を仕掛けてきます。

動きも、心なしか力強い気がします。

そういうことで、夏と秋で何か違いがあるか調べてみました。

まずは種類。

日本で普通にみられる蚊はイエカ、ヤブカ、ハマダラカの3種類が多いです。

イエカとしてはアカイエカ、ヤブ蚊はヒトスジシマカ、ハマダラカはシナハマダラカというのがそれぞれの代表選手です。

そのうち、暑さに強いのはヒトスジシマカで、主に夏に活動します。

また、ヒトスジシマカは待ち伏せ型で、普段は草むらなどに潜んでいて、人間とかの獲物が来ると、やおら襲いかかります。

これに対して、アカイエカは暑さには弱く、春から初夏、秋に主に活動します。

また、アカイエカは放浪型で普段から飛び回っていて獲物をアグレッシブに探し回っています。

こういった、季節による蚊の種類の違いが一つは考えられます。

もう一つは、蚊の年齢。

蚊は春頃から発生し始めるので、秋の蚊は夏よりも年寄りの蚊が多いです。

メスは、出産もすませた蚊が多いです。

ここで、人の血を吸うのはメスの蚊のみ。

オスは刺しません。

また、オスもメスも主な栄養源は花の蜜です。

メスが血を吸うのは、卵を産む時の栄養源としてのみです。

そして、一度血を吸うと、蚊は非常に血を吸うのを好むようになります。

血の味を知ってしまうのでしょうか?

こうしたことで、秋は凶暴になったように感じるのではないかと思われます。

蚊はどうやって刺す?

蚊に刺されるとかゆいし、病気の原因にもなります。

これを防ぐためには、まずどういう過程で刺すか、よく知っておくことは有意義かと思います。

上述の通り、蚊は種類によって、待ち伏せていたり、狩りに出かけたりして動物を検知します。

では、どのようにして何を検知するでしょう。

まずは、二酸化炭素を検知します。

動物は、呼吸により二酸化炭素を放出します。

量はわずかですが、そのわずかな量でも検知できます。

だいたい、蚊を中心に半径数メートルくらいの中に入れば検知できるらしいです。

検知されると、飛んで行ってその動物のところまで行きます。

しかしすぐには刺しません。

周りをぐるぐる飛んで、針を刺す場所を探します。

二酸化炭素だけだと、口とか鼻の付近ばかり狙うことになりますが、それでは動物側の反撃をくらいやすいです。

そこで、今度は温度を頼りにします。

温かいところに向かっていきます。

温度だけでなく、ニオイも感知して、刺す動物を探しています。

蚊は種類にもよりますが、恒温動物だけでなく、カエルとかヘビとか変温動物の血も吸います。

従って、温度だけであれば、こうした獲物は狙いづらくなります。

ニオイとしては、乳酸の匂いとか好きなようです。

匂いといえば、少し前に、高校生が足の裏の菌の種類により蚊の寄り付き方が違うという発見をしていましたね。

これも、ある種の菌の出す、何らかの物質の匂いを感知しているのではないかと思われますが、詳しくは分かっていないようです。

ともかく、これらにより蚊は刺す場所を決めて、ようやく皮膚の上に止まります。

そして針を刺して、まずは唾液を注入します。

これは、一つは血が固まらないようにするためです。

もう一つは、麻酔の働き。

刺されることで人間に気づかれないようにします。

また、この唾液中に、場合によるとウィルスとか病原菌とかも入っていることがあります。

そして、麻酔が効いているうちに、蚊は血を存分に吸って、さっさと逃げて行きます。

麻酔が効き終わるのが3分くらい。

かゆいと思って気付いたら、蚊はすでに去っていて、皮膚が赤く腫れているという・・・

実に巧妙です。

巧妙なだけに、刺された時の腹立たしさも増幅されます。

蚊に刺されないためには

以上を踏まえて、畑で刺されないためにはどうすればよいか考えて見ましょう。

まずは、発生源を断つことが重要です。

つまり、水たまりをなくして、ボウフラが発生できなくします。

一般には、空き缶や空き瓶、古タイヤ、竹の切り株などにボウフラは住んでいるとされます。

畑ではこれらはないとは思いますが、落ちていたら捨てましょう。

ちなみに私の畑は道路に面していて、ドライバーがゴミや空き缶を捨てます。

かなりムッとしますが、最近はキレる人が多いので蚊よりもその筋のドライバーの方がもっと嫌です。

従って、その筋のドライバーに対しては、反撃を狙わずに黙って掃除しておきましょう。

あとついでに、カエルの話題の時に、塩ビパイプを設置すればそこにカエルが住み着きやすいと書きました。( → こちら )

が、これも蚊の発生源になるかもしれませんね。

しかし、首尾よくカエルが住み着いていたら、カエルの餌になってくれるかもしれないので善悪微妙なところです。

これ以外では、蚊の嫌がる匂いとしてハーブを植えるという対策もあります。

しかし、私はエゴマを作っていますが、あまり効果は感じられません。

同様の理由で、蚊除けスプレーも効果を感じられません。

定番といえば、蚊取り線香。

これは、なかなか効果が高いです。

私は蚊取り線香を適当な長さに切り、何箇所かに突き立てて、さらに腰に吊るしています。

また、蚊取り線香には、プロ用というのもあります。

太くて煙がたくさん出ます。

しかし、蚊取り線香の成分に過敏な方もいるかもしれません。

私は、除虫菊のみを用いたものを使用しています。

昔、普通の緑のを使っていましたが、使い続けているうちに、頭が痛くなったためです。

あと、最も効果があるのは服装。

長袖長ズボン長靴を着用して、皮膚の露出を防ぎましょう。

顔とか首は虫除けのネットも市販されています。

まとめ

蚊はとても嫌なものです。

ただかゆいだけでなく、伝染病の媒介となったり、アナフィラキシー(毒に対して過敏に反応する症状)を発症することもあるので、ゆめゆめ油断せずしっかりと対策をとりましょう。

とはいえ、蚊も食物連鎖のなかで、他の生き物に食べられることにより世の中の役にたってもいます。

世の中無駄なものはないと云うことですね。

参考にした本

荒木修 蚊の科学 日刊工業新聞社

津田良夫 蚊の観察と生態調査 北隆館

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