過去に堆肥の原料とか必要条件については書きました。

今回は、同じく発酵資材のボカシ肥の使用原料について、書いてみたいと思います。

ボカシ肥については、数年前にいろいろ調べたことがあるのですが、インターネットで検索してもほとんど出てきませんでした。

しかし今では結構充実していて、隔世の感があります。

内容は玉石混交で、これはどうか?と疑問に思う話も結構ありますが、どの分野でもそんなものかもしれませんね。

ボカシ肥とは

材料について論じる前に、まずぼかし肥とは何かについて。

ボカシ肥とは、単純に言えば肥料成分を持った有機物を発酵させて作った肥料です。

堆肥の効果と、肥料の効果の両方が得られます。

かつ、有機物の持つビタミンやアミノ酸が、植物の健全な成長をさらに助ける働きがあります。

根の周りに施すことにより、通気性などの物理性、肥料成分や保肥力などの化学性、微生物相などの生物性を改善させます。

したがって、上手くできれば非常に有益な資材です。

主な材料

作り方は人によって様々ですが、大雑把には堆肥と似ています。

資材を積んで水と混ぜて、撹拌します。

それで、主な資材を上げて見ると

・米ぬかや油かすなどの植物性資材

・魚カス、肉カスなどの動物性資材

・骨粉、牡蠣殻などの石灰資材

・土やパーミキュライト

・微生物資材

・その他もろもろ(化学肥料、堆肥、籾殻、ワラ他)

といったところです。

今回は、これらのうちよく使われるものに絞って述べていきます。

米ぬか

ぼかし肥の主役といえば、何といっても米ぬか。

米ぬかそのものについては、こちらにも書いています → 米ぬかについて

成分の特徴としては、概ね窒素3%、リン酸7%、カリ2%くらいでリン酸が多いのが特徴です。

この他に、ビタミンや脂質、炭水化物も豊富です。

特に、たんぱく質と糖質がバランスよく含まれています。

これらをエサに、微生物は非常に繁殖しやすくなります。

従って、堆肥を作るときなどにも、微生物を活発化させるために米ぬかはよく用いられます。

ボカシ肥には、肥料成分を担う主力として大量に投入されます。

油カス

米ぬかとともによく用いられる資材です。

代表的な成分としては、概ね窒素8%、リン酸2%、カリ2%くらいです。

窒素分を供給するのに有効です。

その代わり、カリは少なめです。

油カスに限らず何とかカスというのは、必要分を搾り取った時に一緒にカリも水に溶けて流れ去るので、どうしても減ってしまいます。

余談ながらナタネ油カスは外国(主にカナダやオーストラリア)で作られた菜種を日本で絞ってとったカスです。

そして、これらの菜種のうちのかなりが遺伝子操作した品種です。

とする、と使いたくなくなる人もいるかもしれないですね。

ただし、カスなので遺伝子汚染することはまずないとは思われます。

なお、米ぬかとか油カスといった植物由来の原料は、チッソやリン酸の肥効が遅めです。

長く効かせたいときに、有効と言えます。

肉カス、魚カス

植物性の資材だけでなく、動物性の資材を入れるとより効果的です。

これらは、成分的には窒素が10%程度と、かなり高めなのが特徴です。

また、リン酸分は魚カスでは9%程度と高いですが、肉カスは2%程度で低めです。

あと、カリウムやマグネシウムは少ないです。

特徴的なのは、これらの動物性資材と植物性資材とで、窒素の形態が異なることです。

動物性資材では、窒素は主に中性アミノ酸の形で存在しています(植物は酸性アミノ酸)。

そして、動物性資材は水溶性アミノ酸が多いです。

微生物も、植物も、栄養分は水に溶けたものを摂取します。

従って、これらの動物性資材は、彼らにとって利用しやすい食料となります。

そのせいか、動物性資材の方が、発酵による窒素の無機化が早く、肥効も早まります。

同様に、リン酸も植物性の資材よりも肥効が早く高いです。

また、アミノ酸の中には、果実の肥大化に影響するとされるプロリンや、果実の甘みを増すとされるグリシンがありますが、これらの割合が動物性資材では高くなっています。

骨粉、牡蠣殻、カニガラ

主にカルシウムの供給源として用いられます。

含有量は50%くらいです。

骨粉は、それ以外にリン酸も10~30%、窒素も4~10%くらいと相当高いです。

牡蠣殻は、ほぼ炭酸カルシウムです。

それ以外の成分は少ないですが、マンガン、ホウ素などの微量成分が含まれています。

カニガラはその中間くらいでリン酸5%、窒素5%くらい含まれています。

土、パーミキュライト

ボカシ肥に土を入れる人は多いですが、実は結構大切な働きがあります。

1つは、窒素を吸着させること。

せっかくの有機資材を混ぜても、それを微生物が分解する過程で、窒素がアンモニアの形となって揮発し、所望の濃度とならないことがあります。

土やパーミキュライトを入れることにより、こうしたアンモニア分が吸着され、揮発するのを防ぐ働きがあります。

また、その結果として、悪臭を抑える働きも得られます。

あと、理由はよくわかりませんが、土を入れると微生物の活動が安定化するようで、有機物を取り入れて呼吸により消費することで、C/N比が低下する傾向にあります。

微生物資材

発酵を促進させるために、よく用いられます。

いろんな資材がゴマンとあります。

市販のものもあれば、落ち葉などについている菌を培養し、採取する方法もあります。

あるいはみそや、麹、ぬか漬けのぬか床を使う人などもいます。

私もやってみたことがありますが、少し入れてみるだけで発酵の進み具合がだいぶ違いました。

発酵資材のどれが良いと一概には言えませんが、栄養状態や温度、pHなどで繁殖する菌が変わるため、単一の菌だけに決め打ちするのではなく、多様な菌を導入した方が良いと思われます。

その他

ワラや草木灰、落ち葉、堆肥、籾殻、化学肥料等、様々な資材を入れることがあります。

目的は、比重や空気比などの物理生の改善、栄養分の補給、微生物にの供給など様々です。

必要に応じて使いたいですね。

まとめ

ぼかし肥について、いろんな資材を紹介してみました。

使う資材の基準としては、個々の資材に惚れ込んで高いお金を出して手に入れるのではなく、身近なものが良いかと思います。

安価に手に入る資材、生活していく上で副次的に排出する資材など。

生活の工夫にもなりますし、エコ生活にもつながります。

参考にした本

薄上秀男 発酵肥料で健康菜園 農文協

農業技術体系 追録第12号・2001年 第7-1巻
有機肥料の組成と土壌微生物

 

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