我が家の庭には、苔を張った場所があります。

しかし、今の時期に、鳥たちがほじくり返しにきます。

苔の下に住んでいる、虫か何かを食べるためと思われます。

テグスを張ったり色々な対策はとるのですが、それを物ともせずに狙ってきます。

今のところ、有効な対策を打てていません。

そこで、春ぐらいに張り直すのですが、次の年の冬になるとまたほじくり返されます。

苔代もバカにならず、かなり頭にきます。

今年こそは鳥たちに一泡吹かせてやる!ということで、今回は鳥害についてです。

まずは、鳥一般について詳しく知ろう

敵を知り己をしれば、百戦危うからず。

まずは鳥の特徴をおさらいしてみましょう。

鳥といえば、何と言っても空を飛ぶのが特徴です。

そのために、体のつくりや習性が他の哺乳類と比べて色々と異なっています。

まずは軽くなければなりません。

そのため、骨は中空になっています。

また、歯はなく、クチバシになっています。

飛ぶために、翼の部分の筋肉はよく発達しています。

空を飛ぶということは、移動速度が早くなるので、より遠くのものをみる必要があり、視力がよく発達しています。

その代わり、嗅覚とか触覚、味覚はあまり発達していません。

聴覚は、人間とまあ同じくらいです。

さらに、水など飲んでいては重くて飛びにくくなるので、ほとんど水を飲みません。

そうすると、体の水分を保つことが重要となります。

従って、おしっこをしません。

ここで、尿(おしっこ)というのは、体の老廃物(特に窒素)を排出するのが主な働きです。

人間など哺乳類は、窒素を尿素(水に溶けやすい)という形で排出します。

鳥の場合は、尿素でなく、尿酸(水に溶けにくい)という形にして、フンと一緒に排出します。

これにより、無駄な水分の浪費を抑えます。

余談ながら、鶏糞は牛糞より窒素分が多いですが、これは上記の理由によります。

それから、飛ぶためには多大なエネルギーが必要です。

従って、摂取するためのエネルギーもたくさん必要となります。

そのために、栄養価が高いものを主に食べます。

その上クチバシで食べるため、丸のみでできる柔らかいものを好んで食べます。

このような条件を満たすものとして、植物の実、種子、蕾、芽、みつ、小動物などを食べることとなります。

植物の葉っぱなどは、基本的にはあまり食べません。

常に食料に溢れているということはありませんので、季節によって食べ物を変えます。

従って、害鳥とされている鳥でも、雑草の種や昆虫なども食べます。

こうしたことから、害鳥だからといって駆除しすぎると思わぬ害虫が増加することもあります。

さらにさらに、飛ぶということは、長距離の移動ができるというメリットがあります。

これを利用して、多くの鳥は渡りをします。

留鳥(一年を通じて同じ場所に生息する鳥)とされている種類でも、近くの山野と平地といった具合に移動することは多いです。

渡りをする場合は、多くが秋冬に南西で越冬し、春夏には北東で繁殖します。

このためには、東西南北の方向を正確に知る必要があります。

このために、鳥は地磁気とか、星の移動とか複数の方向判定機能を持っています。

これを踏まえて、次は具体的な被害の話についてです。

どんな鳥が被害を及ぼすか

日本で農産物に被害を及ぼす鳥としては、カラス、ヒヨドリ、ハト、スズメなどが一般的です。

このうち、特に多いのはカラスです。

被害額は、鳥害全体の6割程度になります。

カラスは、なんでも食べて餌を選ばないので、被害も広範です。

ついで被害が多いのがヒヨドリ。

全体の1割くらいです。

ヒヨドリは主に果樹や野菜を食害します。

また、まれにマメ類もたべます。

ハトもヒヨドリと同程度の被害額となりますが、ハトの被害の場合はほとんどマメ類です。

しかし、私は雑穀のタネなども食べられているので穀物類も安心できません。

これら以外では、スズメとかカモとかの害も多いです。

どちらもイネの被害が多いです。

なぜ被害が増えたか

これらの鳥害は、以前に比べて増えています。

その原因は、農作業の効率化にあるとされています。

昔は、農作業も人力が中心でした。

稲刈りなど、人が鎌を持って一株一株ゆっくりと刈っていました。

そのような状況では、鳥は、人間が近くにいるので警戒してなかなか近寄れません。

もし、刈り残しがあったり、穂が落ちていたとしても、人間があとで拾っていきます。

しかし、今ではコンバインがあっという間に刈っていきます。

しかも、人間は鳥がきているからといってわざわざコンバインから降りて鳥を追っ払ったりしません。

それに、多少モミが落ちても拾わずにそのままです。

鳥は、安心してモミを拾いにくることができます。

また、果樹や野菜なども、基本的に規格外品はそのまま圃場に残します。

いちいち、一旦収穫した後、別の場所に捨てたりしません。

こういった規格外品も、鳥にとっては何の問題もなく、よいご馳走となります。

農作業以外には、都市化の進行も一因となっています。

カラスなど、街のゴミも食べることができます。

食料の少ない冬でも、ちょっと街に出ればゴミは定期的に出ていますから、食べ物にありつくことができます。

このようなことで、鳥が図々しくなって(あるいは食料の少ない冬でも生き延びやすくなって)、被害が大きくなっているものと思われます。

防除策は?

防除策を考える前に、まずはどの鳥が、あるいは鳥でない何者が被害を与えたか、犯人を特定する必要があります。

鳥が突いた跡があったとしても、真の原因が鳥であるとは限りません。

例えば、鳥が植物の実を突く前に、イノシシが茎を倒して、倒れて地面に落ちたために鳥が突きやすくなったということも考えられます。

この場合は、真の原因のイノシシを防除する必要があるでしょう。

また、鳥がつついて実に穴を開けたとしても、そこで裸出した果肉を虫が齧って虫害に見えることもあります。

この場合は、被害の真因は鳥なので、そこを見誤らまずに鳥害対策をとる必要があります。

それで、しっかりと被害状況を把握して何らかの鳥による害だと特定できたとして、防除することになります。

が、残念ながら決定打はありません。

よくある対策としては、

・かかし
・目玉風船
・テグス
・防鳥ネット
・吹き流し
・クラッカー(爆音)
・カラスの死体
・忌避剤(匂い)

等々ですが、すぐに慣れたり、ディフェンスの隙を縫って侵入したりします。

従って、被害を防ぐには、これらを複合して対策をとったり、短い期間で別の対策に切り替えたりして鳥に慣れさせないことが必要となります。

また、ネットやテグスは、風などでたるんだり隙間ができないようにこまめにメンテしましょう。

農作業以外の普段の生活では、こまめな掃除をして餌となるものを放置しないことが大切です。

家庭のゴミは、開けられないようにきちんと包装して捨てましょう。

そして、くれぐれも餌を与えたりしないようにしましょう。

まとめ

鳥害は、農業の近代化とともに増大してきた経緯があります。

特に、カラスやヒヨドリなどの被害が大きいです。

防除法に決定打はありませんが、種々の方法を複合して鳥を慣れさせないようにするとともに、餌となるものを放置しないようにしましょう。

<参考にした本>

藤岡正博 中村和雄 鳥害の防ぎ方 家の光協会

江口祐輔 本当に正しい鳥獣害対策Q&A 誠文堂新光社

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