ご飯を食べる人腸内細菌と心の実験

ある大学で、マウスを使ったある実験が行われました。

容易したマウスは、生まれてからずっと無菌室で育ったもの。

そのマウスを縛り付けて、動けなくしました。

すると、マウスはストレスが溜まります。

ストレスが溜まったかどうかは、コルチコステロンというホルモンの分泌量をみれば分かります。

縛り付けることにより、マウスのストレスホルモンは急激に増えました。

もちろん、普通に育てたマウスでもストレスホルモンの分泌量は増えるのですが、無菌室で育てた方が、ストレスホルモンの分泌は著しく多くなったのです。モルモット足成
そして、この実験の後で、無菌室で育てたマウスにビフィズス菌の一種を与えてみました。

その後、同じように縛り付けて動けなくすると、その時のストレスホルモンの分泌量は、普通に育てたマウスと同じ程度までしか増えなかったのです。

腸内に善玉菌を増やすことにより、ストレスさえ軽減するというわけです。
さらに・・・ストレスだけではありません。

腸内細菌がないマウスは、記憶に関連する遺伝子も発現しにくくなっていたのです。

腸内細菌恐るべし、ですね。

腸内細菌と健康との関係

健康のためのポイントとなる三要素は運動、栄養、休息と言われています。

ですが、お医者さんによっては、この3要素に腸をプラスする人もいます。

それくらい、腸を良い状態に保つことは重要です。

腸は、いうまでもなく食べ物を消化し、栄養分を吸収するとともに、不要分を排出する働きがあります。

腸から取り込んだ栄養分が体全体に行き渡るので、健康に果たす役割もそれだけ重要なのかもしれません。

そこで、腸内の健康を保つ方法ですが、これについて論じるためには、腸内の菌についての言及を避けて通ることはできません。

腸内には、常在菌として、100種類以上の菌が、100兆匹以上いるとされています。

その中には、宿主の私たち人間と共生関係にあって健康を増進させてくれる善玉菌もいれば、逆の働きを持つ悪玉菌もいます。

当然、悪玉菌の繁殖を抑えるとともに、善玉菌を増やす必要があります。

善玉菌としては、乳酸菌やビフィズス菌が有名です。

これらの働きは、実に様々です。

腸内細菌の恐るべき効果

個々の働きを挙げてみますと、

・食物の消化、吸収を助けること。

・カルシウムや鉄分など、身体に取り入れにくいミネラルを、吸収しやすい形に変えてくれること。

・ビタミンや各種酵素、ダイズからのイソフラボンなど各種有用成分を作ること。

・悪玉菌の繁殖を抑えるとともに、悪玉菌の発する有害物質を分解、無害化すること。

・免疫力をつくること。(により、病気にかかりにくくなる)

・アレルギーを緩和すること。

・ガン細胞を抑えるとされる、NK細胞を増やすこと。

・腸の蠕動運動を活発にして、排便を促すこと。

・そして、上述した、ストレスを軽減したり記憶力をよくすること

以上、非常に多様な効能があるのに驚かされます。

腸内細菌がなぜストレスを減らす?

この中で、ストレスについては、腸内細菌と何の関係があるのか?という気もします。

実は、腸内細菌にはセロトニンという物質をつくるのにかかせないビタミンを合成します。

セロトニンは神経伝達物資の一つで、気分を安定させたり記憶や学習能力に影響を与えます。

人間でも、脳内にセロトニンが不足すると、気分が落ち込んでうつ症状が出たり、イライラすることが知られています。

セロトニンは9割が腸の粘膜に存在していて、腸の蠕動運動に関与しています。

脳内には全体の2%しかありません。

腸内で合成されたビタミンが脳幹に送られて、そこでトリプトファンという別の原料とともにセロトニンが合成されます。

腸内の細菌を健全にすることが如何に重要か、ということです。

最近はストレスに弱い人が多いように感じますが、善玉菌も悪玉菌もひっくるめて殺菌してしまう社会になったのが一因かもしれませんね。

腸内の善玉菌を増やすにはつ漬け物足成

では、腸内細菌(もちろん、悪玉菌ではダメで善玉菌)を増やすという観点から食べ物を考えてみましょう。

真っ先に思い浮かぶのは発酵食品をとることでしょうね。

発酵食品は、善玉菌の宝庫です。

ただし、乳酸菌は腸内に到達するまでに、ほとんど死滅します。

従って、生きたまま乳酸菌を腸まで到達させるためには、その分沢山食べなければなりません。

あるいは、乳酸菌と納豆菌と一緒に取ると、乳酸菌は死滅せずに腸まで到達することも知られています。

サプリメント等で、生きた乳酸菌を腸まで到達させるものも販売されています。

ただし、生きたまま到達しても、そこで住み着いて繁殖する訳ではありません。

従って、継続して食べることが重要です。

もっとも、もし腸に到達するまでに全部死んでしまったとしても、それまでに乳酸菌が作った有用成分が腸内環境を良くするので無駄な努力にはなりません。

他には、食物繊維を取ることも重要です。

食物繊維は、人間には消化できませんが、腸内の有用菌は消化吸収できます。

従って、腸内細菌のエサとして食物繊維をとることが有用となります。

食物繊維自体が、排便を促す効果も無視できません。

発酵食品を食べよう

発酵食品にはいろいろありますが、納豆とかくさやとか、においや味にクセのあるものが多いですね。

苦手な人も多いかも。

でも、これが美味しい、やみつきになる、という人もいます。

私も旅行に行くと、よくその土地独自の発酵食品を食べます。

口にした瞬間、まずいと思うこともありますが、我慢して食べ続けてみるとと、なかなか美味しいと思うこともあります。

味覚には文化、習慣的な面もあります。

身体にもいい、昔ながらの伝統食を口にできるという喜びを噛み締めながら食べれば、きっとおいしく感じられることでしょう。

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