毎日、寒い日が続きます。

こんな時には布団の中にずっともぐっていたいですね。

ですが、ずっと布団を干さずに中にもぐっていると、ダニが発生する危険もあります。

布団の中は暖かくて人間の出す湿気やアカなどの食料もありますから。

そこで、今回はダニについて。

ダニは普段の生活の上でも、また農業上も重要な害を及ぼします。

しっかりと対策を取りたいですね。

ダニの性質

まずはダニ一般について調べてみました。

ダニはご存知の通り、体調が1ミリにも満たないずんぐりした小型の生き物です。

分類としては、昆虫ではなく、蜘蛛に近い種類です。

具体的には足は8本あります。(生まれた時は6本です)

羽はありません。

目は2個とか、4個とか、種類によってはないものもいます。

卵から孵化して、成虫になるまでの期間は様々で、10日から数ヶ月くらいまで様々です。

ダニは非常に繁栄した種族で、世界で3万種、日本では2千種程度が知られています。

しかし、実際はその3倍程度の種類が生息しているとも考えられています。

海以外で、ダニのいないところはいないと言われるほどです。

ダニの害

ダニといえば、犬猫に寄生して血を吸うイメージが強いですね。

人間では、マダニを介して発症するSFTSというウィルスが最近話題になりました。

日本紅斑熱や、Q熱という病気も媒介します。

いずれも、場合によると死ぬこともあるという怖い病気です。

ツツガムシ病を媒介するツツガムシも、ダニの一種です。

ダニが、一旦人間の皮膚にくっつくと何日も離れず血を吸い続けます。

無理に離そうとすると、血を吸った状態で頭だけちぎれて残る場合も。

こうなると、もはやホラーですね。

こうした怖い病気以外に、ダニによるアトピーとかアレルギー、喘息なども重要です。

家の中にはたくさんのダニが生活していて、この死骸や糞など空気中に舞い上がり肺や目、目にくっつきます。

これを排除しようとして、体の免疫反応が過剰に働く結果、症状が現れます。

これら以外では、人間の皮膚に寄生して、皮膚炎を起こすもの、小麦粉などに発生して白い粉のようについているものなどがいます。

有益なダニ

上記のような有害なダニはごく一部です。

無害なのが全体の9割を占めます。

そもそも、ダニという種族が誕生した頃には、哺乳類やは虫類はいませんでした。

従って、動物の血を吸うような種類が出てきたのは後からです。

無害な、多くのダニは土壌中に住んでいて枯葉を食べます。

これは、ミミズと同様、土を肥やすのに良い働きを持ちます。

ですので、むしろ有益です。

家の中にいるダニでも、チリなどを食べて掃除してくれる働きもあります。

これにより、有害なカビの繁殖を抑えます。

あと、有益なのは、肉食性のダニ。

カブリダニというダニは、害虫のハダニを食べることで有名です。

線虫を食べるダニもいます。

もっともセンチュウ自体、有害なのからそうでないものまで様々ですが。

これ以外で、変わった利用の仕方としては、ヨーロッパでチーズの熟成のためにダニが使われることもあります。

ダニにわざとチーズの原料の塊を食べさせ、そのダニの消化液中の酵素により発酵させるとのことです。

ちょっと、食べてみたいような、食べたくないような複雑な気持ちにさせる食べ物ですね。

ハダニについて

以上を踏まえて、代表的な農業害虫である、ハダニについて述べてみたいと思います。

昔は、ハダニによる農作物の被害は、大したものではありませんでした。

それが、農業の近代化で殺虫剤や殺ダニ剤の普及が進むとともに被害が大きくなってきました。

農薬の使用により、ハダニの天敵が減ったにもかかわらず、ハダニ自身は薬剤耐性を持ってしまったためと言われています。

ハダニの性質

ハダニは大きさが0.25〜0.9ミリくらいの非常に小さな生き物です。

色は、黄色とか赤とかだいだい色とか様々で、食べた餌によって変わります。

ハダニと一言で言っても、1種類ではありません。

日本では70種類くらい知られています。

その中で害があるのは、数種類です。

ハダニは種類によって、特定の種類の植物だけしか食べない種類と、何でも食べる広食性の種類がいます。

広食性のハダニは、ほとんどどんな植物でも加害するため、もしも雑草にくっついていれば、そっとしておけば雑草をそのまま加害することとなります。

ハダニは小さい分、雨や風が苦手です。

ちょっと強い風雨で、簡単に数を減らしてしまいます。

しかし、繁殖力が強いため、すぐに復活します。

ハダニの繁殖

ハダニが、卵から成虫になるまで10日ほど。

短いので、1シーズンで何回も繰り返して繁殖できます。

だいだい1シーズンで10世代くらいとも言われています。

ハダニの生殖は特徴的です。

メスは交尾するとメスを生み、交尾しないと単為生殖でオスを生みます。

もしもある場所に、一匹しかメスがいなかったとします。

その時は、最初にオスを生むこととなります。

次のそのオスと交尾します。

すると、メスが生まれます。

これを繰り返す事により、大量のハダニを生み出します。

ハダニの糸

ハダニは、ほとんどすべての種類が糸を持っています。

他のダニ類は、持っているものも持っていないものもいて様々です。

糸は様々な用途に用いられます。

例えば、クモのように糸で風に乗って移動することもあります。

あるいは、命綱のように葉っぱにくっつけてもいます。

ハダニは小さいので、風とかちょっとしたことで葉っぱから落ちてしまいますが、その際に、糸にぶら下がって元の葉っぱまで戻ります。

他には、網を作って巣にします。

これにより、天敵から身を守ります。

加害の仕方

ハダニが植物を加害する際は、まずストローのような口で葉の気孔部を刺します。

そこで、水分や葉緑素を吸収します。

これにより、植物の方は葉の所々に白い斑点ができます。

加害がさらに進むと、全体が白っぽくなります。

ハダニは、生き生きとした元気のいい葉のみ加害します。

従って、ある程度加害して元気がなくなると、別の葉や株に移動します。

こうした結果、植物は栄養不足となって、成長不良となります。

そして、果実が太らなくなったり、せっかく実っても味がまずくなったりします。

ハダニの防除

こうしてみてきたように、ハダニは繁殖力が強いため、絶滅は難しいですし、そこまでの必要もありません。

害が出ない程度に密度を減らす、というくらいの心構えが必要でしょう。

何しろ小さくて弱い生き物なので、発生がわずかであれば、霧吹きで水を撒くくらいでも退治できます。

葉の裏に寄生するので、葉をめくって、よく観察して防除しましょう。

薬をまく際には、若いほど殺ダニ剤に弱いことが知られています。

この際も、裏面を念入りに散布するようにします。

早期発見、早期防除が基本です。

まとめ

ダニは、世界で数万種類いると言われるくらい、繁栄している種族です。

有害なダニばかりでなく、無害、もしくは有益なダニも存在します。

ただし、人間に感染症を引き起こすダニは、重篤な症状を与えるので、気をつけましょう。

ハダニは、小さくて弱いムシですが、繁殖力が強く重要害虫となりました。

防除のためには、早期発見、早期対策に努めましょう

また、絶滅はを目指すのではなく、被害が出ない程度に密度を減らすという気持ちが大切です。

参考にした本

江原昭三編著 ダニのはなし I,II 技報堂出版

井上雅央 ハダニ、おもしろ生態とかしこい防ぎ方、農文協

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