梅雨ですね

雑草、野菜を問わず、いろんな植物がいろんな場所に生えてています。

こうした草花をみていると、それぞれいろんな形を持っていることにいつも感心します。

それとともに、なんでこんなにいろんな形になっているのだろうと疑問にも思います。

数学のように、答えが一つだけになるわけではないことはわかりますが、それでも進化の過程で合理的に形が決まってくことになるはず。

なのにいろんな形をとっているのは、その植物が生まれ育った土地の環境によって有利な形があるからです。

では、具体的にはどんな条件によって形がどう変わるのでしょう?

ここでは、特に葉っぱに絞って、環境により形がどう変わるか、考えてみたいと思います。

まずはどんな形があるか

葉っぱ一枚とっても、いろんな形があります。

松のようにとんがったもの、サボテンのような分厚いもの、キャベツのように丸くなったもの・・・

このように見た目について、葉っぱの形をもう少し具体的に細かくみてみましょう。

まずは葉っぱの大きさと数。

大きいか、小さいか、同じ分量としても、大きいのが少しと小さいのがたくさんと何が違うのでしょうか。

厚みは厚いのと薄いのと、どちらが有利でしょうか。

形状も細長いまん丸、先っちょがとんがっている、淵にギザギザがついているなどなど何か意味があるのでしょうか。

色々ありますね。

形を決める条件は

これに対して、形を決める環境条件にはどんなものがあるでしょう。

葉っぱの役目は光合成することですから、これが最優先事項となります。

もう少し言えば、光合成するためには、光、水、二酸化炭素が必要ですので、これらを受け取りやすくすることが重要となります。

光合成以外では、葉を健康な状態で保つために風の強さ、温度、湿度などが、重要となります。

また、土壌の栄養分なども葉っぱの成長のしやすさに影響するので、間接的には影響ありそうです。

それ以外では、まわりの病害虫や人間の世話の有無など。

ただし、人間が世話をし、選抜して作った野菜などは、必ずしも自然環境に適応して形が決まって来たわけでもないでしょうね。

どう関連するか

それで、ようやく本題に入ります。

まずは葉っぱの本来の目的の、光合成に適した形をとるには、という観点から考えてみます。

光をたくさん受け取るためには、平べったい形状がよいです。

そして、厚みは薄い方がよいです。

厚みが厚いと、それだけたくさんの体をつくる物質を生産しなければならないので、効率が悪いためです。

また、二酸化炭素は空気中から取り込みますが、薄いと取り込んでから中の葉緑体に到達するまでの距離が短いので、その点でも有利です。

ということで、多くの葉っぱは平たい形をしています。

ですが、無論これだけで決まるわけではありません。

葉っぱが広くて薄い方が良いというだけですと、まん丸な円盤のような葉っぱになると思われます。

しかし、多くの葉っぱはそうはならず、先っぽと根元が尖っています。

また切れ込みがあったり、端っこがギザギザしていたりするものもあります。

なぜこんな風になっている必要があるのでしょう。

水の観点から

光合成は光だけでなく、二酸化炭素と水が必要です。

特に、水は重要です。

植物の中では、水は根から取り入れられ、葉っぱの表面で気孔が開いて蒸散により抜けていきます。

ここで、もしも葉っぱがあまりに平べったいと、蒸散量が増えて水の供給が追いつかなくなります。

ですので、葉が薄ければ薄いほど良いというものでもありません。

特に、砂漠などの乾燥地域では、余計な蒸散をしたくないので厚みを持たせた方が良いです。

サボテンの葉が厚いのはこのためですね。

なお、水といえば根から吸収されるだけでなく、雨露が葉っぱの上につくこともあります。

ずっと濡れたままだと、今度はこれが邪魔になって呼吸とか二酸化炭素の吸収とかをしにくくなります。

従って、濡れた葉っぱは速やかに水を落としたいです。

このため、多くの葉っぱが水を弾きやすくなっています。

また、先が尖った形が多いのも、そこで水滴を成長させて下に落としたいためと思われます。

二酸化炭素の取り込み

光、水の他、二酸化炭素を取り込みやすくすることも光合成には重要です。

このためにはどうすればいいかというと、単純な対策としては風を当たりやすくすることです。

葉っぱは二酸化炭素を吸って酸素を吐き出しており、表面のごく近くの大気は二酸化炭素が少なくなっています。

これを風でかき回すことにより、二酸化炭素を供給します。

もしわかりにくかったら、洗濯物を乾かすことを想像してみればいいかと思います。

洗濯物の表面近くの空気は水分を含んでおり、風に当てることにより、空気が入れ替えられて乾きやすくなります。

では、どうすればかぜ通しが良くなるかというと、葉っぱを小さくする、あるいは切れ込みを入れることにより風の通り道を作ることが有効です。

しかし、そうすると今度は逆に光が利用しにくくなります。

とすると、葉っぱを小さくする分たくさんの葉っぱを作れば良いことになります。

しかし、その際には葉脈とか枝とか余分なものをたくさん作らなければならないので、その分コストがかかります。(作るのに必要な養分や有機物をたくさん取り込まなければなりません)

こういったメリット、デメリットの兼ね合いによって大きさや形が決まることになります。

例えば、熱帯などの光の強いところでは、そんなに葉っぱの面積は必要ないと考えられます。

また、風が強いところでは二酸化炭素の供給のために小さくする必要はありません。

しかし、さらに風が強いところでは、葉っぱが大きすぎると破れるので小さい方がよい、ということになります。

このようないろんな要因があるため、植物の育った環境によっていろんな形ができるのですね。

まとめ

植物は種類によっていろんな形を持っています。

そして、形は、その植物ができたときの周囲の環境によって決まってきます。

葉っぱは特に、効率よく光合成するのに適した形をとります。

しかし、周囲の状況(風、雨、降水量、など)によって最適な形が異なってきます。

地球環境は、場所により多様な条件を持っており、そのため、植物は多様な形をとります。

そしてその結果、私たちの衣食住他の多様な利用法を与えてくれます。

多様な環境に感謝すると共に、こうした多様性を失わないように保全することも重要ですね。

参考にした本

園池公毅 植物の形には意味がある ベレ出版

原襄 植物形態学 朝倉書店

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