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今年もあっという間に4月になりました。

長い冬が明けるのを待って、ウズウズしていた人も多いのではないでしょうか?

少しずつ、夏野菜の種まきも始まっているかと思います。

少し前に、種子の休眠と発芽について、主に発芽に至るまでの過程に焦点を絞って書きました。

今回はもっとダイナミックに、発芽するときの種の状況を詳しく見てみたいと思います。

 種子の構造

その前に、まずは種の構造について。種子の構造

種は大きく分けて、種皮、胚乳、胚からなります。

種皮は、外の環境から身を守る働きがあります。

胚乳は、種が芽を出すときの栄養分です。

米で言えば白米の部分に相当し、デンプンやたんぱく質、脂肪などからなります。

発芽してから、光合成で自立して成長できるようになるまでには、胚乳や子葉の栄養分が使われます。

胚は芽が出るもとです。

胚軸や子葉、幼根などが既に種の中に出来ていて発芽を待っています。

こうした種の外観は、硬めの種皮に覆われているとともに、ヘソと呼ばれる出っ張りもしくは凹みがあります。

このヘソは、もともと植物の胎座についていた部分です。

 発芽の過程

以上を踏まえて、発芽の過程ですが、まず最初に吸水から始まります。

ヘソから吸水します。

そして胚が吸水します。は発芽したばかりのナス

そこから、アミラーゼというデンプンを分解する酵素ができます。

これにより、胚乳の栄養分が分解され、水に溶けて胚に送られます。

その栄養分をもとにして、胚軸や子葉、幼根などの成長が始まります。

そして発芽します。

といっても、最初に出るのは芽ではなく根です。

その根が下に伸びます。

それとともに、根毛が横方向に出てきます。

あるいは側根なども出きます。

これらが土の間に入り込み、芽が土から上に顔を出すときの力の支えとなります。

この際に、茎の成長点は傷つきやすいので、いきなり露出して土の中を移動したりはしません。SN3D2502

例えば多くのナス科やウリ科の植物では、種皮が二枚の子葉の先をくっつけていて中央の成長点を保護していて、土から顔を出した前後で種皮が取れて、子葉が左右に分かれ、中央の成長点が露出します。

種を埋める向き

このような過程を踏まえて、発芽を高める方法について考えてみたいと思います。

別の記事では、事前処理として光の影響や磨傷処理などをすることについてでした。

→ 種子の休眠と発芽

これらとは別に、今回は種を置く向きについて考えてみたいと思います。

といっても、小さい種は向きもクソもありません。

トウモロコシとか大豆とか大きめの種が対象です。

基本はヘソが下になります。

ヘソから吸水するので、下の方が乾きにくくするためです。

ただしマメ科の、例えば大豆などでは少し事情が異なります。

大豆は胚乳がなく、かわりに二つの巨大な子葉が栄養を蓄えています。

したがって、芽が出るときは、その巨大な子葉を地上まで持ち上げる必要があります。

こうした場合に、ヘソを下にすると豆を下から突き上げるように伸ばさねばならず、傷みやすいくなります。

そこで、普通はフックのように胚軸が曲がった形になって発芽します。

この胚軸の曲がった部分が先に上に出て、上から子葉を引っ張り上げるようになります。

こうした場合、ヘソが下だとフックを作りずらくなります。

かといって、ヘソが上だと、根が下に降りにくいです。

したがって、横が良い事になります。

埋める深さも重要

種の向き以外では、埋める深さも気になります。

深すぎると茎が伸びにくく、浅いと乾燥が問題となります。

また、種の種類によって好光性か嫌光性かで深さを調節する必要もあり、一概に言えません。

やはり、個々の植物の性質をよく知って、それに応じて植え方を変える必要が有りますね。

<参考にした本>

中山包 発芽生理学 内田老鶴圃

幸田泰則 桃木芳枝 編著 植物生理学 三共出版

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種子の寿命