当地では、稲刈りの時期となりました。

コンバインで稲を刈っていると、カエルがぴょんぴょん跳ねて逃げていきます。

中には、不運にもコンバインに轢かれて死んでしまうものも。

仕方がないとはいえ、気の毒なことです。

さて、カエルといえば大きな目と愛嬌のある体つきが特徴的ですね。

ぬいぐるみとかアニメのキャラクターにもよく登場する、人気の生き物です。

その一方で、実物は体がやわらかく湿っていて、気持ち悪いとか怖いとかいう人も多いですね。

可愛いのか、気持ち悪いのか、いったいどっちなんでしょう?

そんな愛憎渦巻くカエルが、今回のテーマです。

カエルの特徴

カエルの特徴というと、何を今さら、という気がしないでもありませんが、それがなかなか。

調べてみると知らないこともたくさんあり、興味深いです。

例えば、カエルはなかなかよい視力を持っています。

しかし、止まっているものには気付かず、動いているもののみに反応します。

両生類で、子どものオタマジャクシの時にはエラ呼吸しますが、大人になってから肺呼吸に変わります。

ですが、肺は十分発達しておらず、皮膚呼吸が大きなウェイトを占めます。

皮膚呼吸というのは、皮膚についた水を体の中に取り入れ、その水の中に溶けている酸素を利用するものです。

従って、水も口から飲むわけではありません。

お腹から染み込ませています。

雨上がりに、道路によくいるのはそのためです。

土だと染み込んでしまうので水を吸いにくいためです。

しかし、こうして道路に出る結果、車に轢かれて死んでしまったりするのであれば、因果なものですね。

いずれにせよ、皮膚呼吸するためには、皮膚が湿っていなければ生きられません。

しかし、常に皮膚が湿っていると、どうしても病害が発生しやすくなります。

そのために、殺菌用の毒を持っているされています。

天敵とか、人間には効かない程度のよわさです。
(強い毒を持つカエルもいますので要注意)

とはいえ、触る人が怪我をしたりしていて、傷口から毒が入ってくると、炎症を起こす等の問題が生じる可能性があります。

カエルを触ったら、後で手をよく洗うようにしましょう。

生態、繁殖

カエルは春に交尾して卵を産みます。

2~3日後に孵化し、オタマジャクシとなります。

一ヶ月ほどして変態してカエルになります。

寿命は結構長く、およそ5年くらい生きているようです。

良い環境のもとで飼育すると、もっと長生きします。

変温動物ですので、冬になると冬眠します。

天敵は、ヘビ、ザリガニ、ヤゴ(オタマジャクシを食べる)、それに多くの鳥などを多数です。

食物連鎖の中間くらいです。

従って、害虫の、他の捕食者の重要な食料源となります。

天敵に対しては、主にジャンプ力を利用して逃げます。

夜行性ですので、カエルの大合唱が聞こえるのも夜ということになります。
(アマガエルでは昼鳴くこともあります、後述します)

鳴くときは、鳴き袋を膨らませて鳴きます。

口の下にある薄い膜で、これにより、遠くまで鳴き声を響かせることもできます。

日本の主なカエル

日本では、40種類ほどが知られています。

ヒキガエル、アマガエル、トノサマガエルなどが代表例です。

当地ではヌマガエルなども多いです。

これらのうち、ヒキガエルは山の林や畑などに住みます。

落ち葉の下などにいます。

カエルはジャンプ力は強いですが、ヒキガエルはそれほどでもありません。

とすると、どうやって天敵から逃げるか?ですが、ヒキガエルの場合は毒を持っているので、あまり襲われません。

カエルは多かれ少なかれ毒を持っていますが、ヒキガエルの毒は強力です。

下手に触ると炎症を起こしたり、誤って口にすると最悪死ぬ場合もあるので要注意です。

トノサマガエルはカエルの中でも動きが敏捷で、人間が素手で捕まえるのはなかなか困難です。

また、カエルの中でも特に乾燥に弱いのが特徴です。

従って、水田によく潜んでいます。

しかし、中干しとかで田んぼを乾かすと多くが死んでしまいます。

ちなみに、日本全国にトノサマガエルがいるわけではありません。

関東地方はトウキョウダルマガエル、東海から瀬戸内にはダルマガエルというのがいて、それがトノサマガエルにそっくりな格好をしています。

これらの地域以外にいるのが、いわゆるトノサマガエルです。

何故かすみ分けていて共存していないようです。

どうしてこんな住み分けになっているのか、不思議ですね。

特にアマガエルについて

アマガエルは、繁殖期以外は基本的には水には入りません。

草地とか樹上に住みます。

舌が長いですが、カメレオンのように舌を伸ばして獲物を捕まえるわけではありません。

襲いかかってくわえます。

舌は、その際に接着剤の役割で獲物が逃げるのを防ぎます。

あとは、保護色を持ちます。

つまり、周りと同じように色を変えます。

よく、土の上にいる茶色いカエルと葉っぱの上にいる緑色のカエルを別種と思う人もいますが、単に色を変えただけという場合が多いです。

昔、青色にも変わるかなと思って、青いバケツの中にずっと入れておいたことがありますが、その時は残念ながら変わりませんでした。

しかし、青色にも変わることはできるらしいです。

ただ単に、変わるまでの時間、待ちきれなかっただけかもしれません。

変色に要する時間はマチマチで、數十分から数日。

カエルが、身の危険を感じているほど早く変色するとも言われますが、あまりよくわかっていないらしいです。

アマガエルというと、シャワーコールが特徴的です。

雨の前になるとゲロゲロ鳴く、あの声です。

気圧の低下を感知して鳴いているようです。

なぜ、鳴くのかについてはよくわかっていません。

わかっていないことが結構多いですね。

農業とのかかわり

カエルといえば、害虫を食べてくれるありがたい味方。

畑地では、アマガエルあたりに活躍してもらうとうれしいですね。

しかしながら、積極的にカエルを害虫防除に利用する例はそんなにないらしいです。

というのは、水の中に住むオタマジャクシから陸地に住むカエルに変態するといった複雑な生活をするため、農地で保護、繁殖させるのが難しいようです。

それでも、環境をカエルの生存に適した条件に整えることは重要です。

具体的に言えば、適度に雑草の生えたあぜ道とか、水際を確保してやることが望ましいです。

つまり、田んぼと畔の境目です。

ただし、コンクリートで護岸されたところは苦手で、数を減らしてしまいます。

また、カエルは乾燥した暑い日が続くと、畑で生きていけなくなります。

そこで、塩ビパイプに水を貯めて設置しておくことが最近試されています。

晴れの日が続くと、人間がそこに水を貯めておいてやります。

そうすると、カエルがそこで避難することにより、畑にずっと定着してくれます。

実験的には成功しており、今後実際に防除効果が出るか、期待されます。

まとめ

カエルは害虫を食べてくれる、我らの強い味方です。

それだけでなく、鳥やヘビなど、他の害虫を捕食する動物に食べられる存在でもあります。

食物連鎖の中間に位置します。

生命の循環するための重要な存在です。

が、近年、数を減らしています。

トノサマガエルは準絶滅危惧種に指定、ヒキガエルは環境省の指定ではリストには載っていませんが、県別では西日本の各県で数を減らしています。

すでに、メダカやタニシなど、昔馴染みだった生き物も最近はすっかり見かけなくなりました、

カエルも同じ目に合わないように保護してあげたいものです。

参考にした本

関慎太郎 カエル 両生類と水辺の生き物 あかね書房

松橋利光 カエルの知られざる生態 成文堂新光社

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