ナス乾燥2

もう8月も後半ですね。

夏野菜もまだまだ収穫できていることと思います。

ナス、トマト、オクラ、かぼちゃ・・・ナス多い

取れ出すとキリがありません。

オクラなどは一株植えただけでも一家族では食べきれないくらい。

冷蔵庫に入れるにしても限りがあります。

だからと言って、捨てるのももったいないし、放っておくと腐ってしまう。

そもそも腐るとはどういうことでしょう?

カビや細菌が食物を食べて、人間に有害な成分を出すことです。

では腐らせずに保管するためには?というと、細菌やカビを活動させないようにする必要があります。

そのためには、空気、水、温度を細菌の活動しにくい状態にします。

その方法はいろいろです。

漬物、乾燥、高温殺菌、低温で保管、真空パック、などなど。

今回は、その中でも乾燥による保管について、考えてみたいと思います。

野菜の乾燥

方法は簡単。

基本的には、乾燥しやすいようにある程度の大きさに切って天日で何日か干すだけ。

天日干しの代わりに、電子レンジなどでもよいです。

モノによっては、乾燥させる前に、ブランチングという処理も行われます。

これは、野菜を湯通ししたり蒸気で蒸したりする方法です。

これにより、野菜の中に入っている酵素を破壊し、野菜が自分の酵素で変質するのを防ぎます。

ただし、ビタミンCなどの熱で失われやすい成分は消失するので注意する必要があります。

通常、野菜の水分は90%くらいです。

それを、十分乾燥させると数%くらいまで下がります。

そこまで乾燥させると、常温でも1年くらい持ちます。

ただし、湿度の低いところで保管するのが必須です。

できれば、密閉容器で冷暗所で保管しておきたいです。

戻すときには、水に半日〜1日程度、水につけます。

なかなか、水を吸わずに柔らかくならない場合は、塩水や砂糖水に入れると、浸透圧の原理で吸水しやすくなります。

このあたりは、乾燥させる野菜の種類によっても異なるので、個々の野菜でどうするのがよいかは前もって調べておきましょう。

乾燥野菜の栄養分

ちなみに、本などを読むと、乾燥することにより、ビタミンやミネラルが何倍にも高まるというようなことがよく書かれています。

ミネラルについては、こういう表現はどうかという気がしないでもありません。

カリウムやカルシウム、鉄分などが日光を浴びて合成されるはずはなく、単に水分がなくなって分母が小さくなっただけ、

水で戻せば同じレベルまで下がっていくと思われます。

椎茸などは乾燥によりビタミンDが増えます。

また、ダイコンなどは乾燥して切り干し大根とすることにより、旨味成分のグルタミン酸やブドウ糖が増えます。

粉にする

乾燥させた後は、どうせなら粉にするという手もあります。

粉にすることにより、かさばらずに手軽に保存することができます。

使い方も、乾燥野菜とは異なったいろんな方法があります。

例えば、

・ジュースに混ぜる

・料理に混ぜる

・スープにするエゴマ葉青汁

・調味料に混ぜる

・お茶にする

などです。

こんな風にいろんなものに混ぜることにより、食べ物の風味が豊かになったり、色合いが鮮やかになったり、栄養分の補助となります。

改めて、粉とはどんなもの?

そもそも、粉というのはなかなか奥の深いものです。

単に小さいというだけではありません。

粉にすることにより、そのもの全体に対する、表面の割合が増えます。

簡単に試算してみましょう。

例えば、半径1センチの球があるとします。

これをの表面積は、小学校か中学校で習った公式に従えば、約12平方センチメートル。

この球を、小麦粉(半径約0.001センチメートル)位の大きさに細かく砕きます。

すると、粒1個の表面積は100万分の1になる代わりに、粒の個数は10億倍に増え、結果として表面積は1000倍に増えることになります。

そして、表面積が増えるということは、反応性が高まるということにつながります。

物質を構成する粒子は、内部では他の粒子に囲まれて強く束縛されていますが、表面は空気に接する面が束縛から解放されて自由になっています。

そのため、表面が多いほどその束縛が少なく、反応は進行しやすくなるのです。

具体的な食品で言えば、例えばコーヒーは豆を挽いて粉にすることにより抽出性が良くなります。

また、砂糖は粉にすることにより、溶けやすくなります。

逆に、湿気でベトベトになりやすい自然塩は、ちょっと大きめの顆粒にすることにより、表面積を減らしてべとつきにくくしています。

粉にした野菜の注意点

話は逸れましたが、そういうわけで、乾燥野菜も粉にすることにより、ジュースやスープに混ぜた時に馴染みやすくなったり、食べる時に風味を感じやすくなります。

ただし、この反応性の高さが欠点になることもあります。

保存中に、空気中の酸素や水分と反応して変質しやすくなるのです。ハトムギ粉

従って、工業的には、先ほどの自然塩のように、顆粒状にすることがよく行われます。

ただ、我々が個人で粉にする場合には、そういうわけにもいかきません。

保存の際には、密閉容器を用いましょう。

かつ、できるだけ空気を抜いておいて、乾燥剤も入れておいた方が良いでしょう。

粉挽きについて

話は前後しますが、粉にする方法は簡単です。

乾燥した後、砕くわけですが、少量であれば人力ですりこぎとすり鉢を使うのもよいですし、専用のミルを使うのもよいでしょう。

他にも、ミキサーで代用するとか、色んなやり方があります。

ただし、粉にするときの熱で変質しやすくなるので、できれば低速でゆっくりと砕くのがオススメ。

挽き臼を使うとか。

粉というとインスタント食品の代名詞のようにも言われますが、自宅で挽き臼で挽いた粉などというと、スローフードっぽくで味わい深い気もしてきますね。

さらにこだわるなら、料理の直前の粉挽きすれば、もはや高級料理店並みの味わいが得られるかもしれませんね。

 

以上、乾燥と粉作りですが、私自身は野菜はやっぱり新鮮な方が美味しいと思います。

でも、そればっかりではあきてしまいます。

乾物は乾物なりの味わいも出てきます。

収穫しすぎて困っている人は一度お試しあれ。

 

参考にした本

食品保存と生活研究会編著 食品保存の科学 日刊工業新聞社

野中順三九 小泉千秋 大島敏明 食品保蔵学 恒星社厚生閣

家森幸男 奥薗壽子監修 すべてがわかる乾物辞典 世界文化社

 

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