日本人の主食の米、生産と同時に副産物も出てきます。

ワラ、モミガラ、米ヌカの3点。

せっかく出てくるこれらの資材、使わない手はないですね。

が、必ずしも全て有効利用されているとは言い難い状況です。

コメ生産者はもちろん、おコメを作っていない人でも手に入れることは可能。

そこで、今回はこれらについて、特にモミガラを重点的に見てみたいと思います。

主要な用途と利用率

米ヌカ:

米ヌカは、お米の副産物の中では、最も使われていない資材です。

利用は搾油用が最も多く、生産量全体の三分の一くらいがこれに使われます。

この他には、家畜の飼料や肥料、ぬか漬けの漬け床などに用いられます。

米ヌカは時間が経つと変質しやすいということもあり、4割くらいが廃棄されています。

搾油したカスも考えれば、もっとたくさん捨てられていることになります。

逆に言えば、タダとかそれに近い価格で入手するのは比較的容易です。

モミガラ:

モミガラも、あまり使われていない資材です。

主な用途は、堆肥や家畜の畜舎の敷料、マルチや暗渠の資材等々です。

3割くらいは廃棄されています。

従って、これも比較的簡単にタダ同然で手に入ります。

ワラ:

ワラはこれら三つの中では、最もよく利用されているものです。

最も多いのは土への鋤込みです。

コンバインで稲刈りする際に、裁断して田んぼにまかれ、土に返されます。

全体の七割がこれに用いられます。

その他は家畜の飼料や畜舎の敷料、堆肥などです。

畜産業者では、国産の藁が手に入らないため、輸入までしています。

そういう意味では、タダで手に入れようとすると最も難しい資材です。

入手方法

いずれの資材も、ホームセンターや直売所など、どこかしらで買おうと思えば買えます。

しかし、工夫して苦労して手に入れることができれば、その方がうれしいものですし、財布にも優しいです。

米ヌカ入手方法:

自宅で精米しているい人も多いでしょうが、一度に大量に使うにはちょっと少ないですね。

私は、ホームセンターの片隅に置いてあるコイン精米機からもらっています。

だいたいのコイン精米機では、「米ヌカは自由に持っていってください」と書いてあるようです。

これ以外では、お米屋さんに問い合わせてみれば、安くもらえることがあるようです。

同様に、JAで問い合わせして見てもいいでしょう。

モミガラ入手方法:

ライスセンター(籾摺りを請け負ってくれる所)とか、近所の農家さんに問い合わせてみましょう。

捨てたり焼いたりするのにも手間がかかるるので、こちらが引き取りたいとお願いすれば、たいがいの場合は二つ返事で了解してくれると思います。

ただし、これは時期が大事ですね。

籾摺りをした後、うず高くモミガラを積んでいるところを狙って、すかさず声をかけましょう。

時期を逃すと、くん炭にしたり、他の誰かが持って行ったりしますので。

ワラの入手方法:

近所の農家さんとか、JAに問い合わせるとかです。

ただし、時期は、稲刈りより前にする必要があります。

上述の通り、稲刈りと同時に裁断されますので。

事前にお願いして了解してもらえれば、稲刈りの時に、長いまま残しておいてくれます。

個々の資材の性質

首尾よく入手できたとして、使い道は色々です。

工夫して使うためには、性質をよく知らなければなりません。

米ヌカの性質:

成分としては、食物繊維やミネラル分、脂質等が多く含まれます。

従って、動物や微生物のよいエサとなります。

ただし、リパーゼという油を分解する酵素が含まれており、変質しやすいという問題があります。

リパーゼは熱で簡単に分解しますので、一旦加熱すると保存性は高まります。

あと、植物に対しての有効成分も多く含まれています。

窒素約2%、リン酸約4%、カリ約1.5%程度です。

ただし、そのまま土に撒くと、微生物の方が急激に繁殖して土中の酸素が欠乏するため植物に悪影響が及ぼされます。

ワラの性質:

成分としてはセルロースやリグニンなどの繊維質が80%程度、あとは粗タンパク質6%、灰分13%といったところです。

栄養価は、他の草などには劣ります。

逆に言えば、微生物による分解が(比較的)起こりにくいです。

従って、藁葺き屋根などの建築材料に使えます。

とは言え、水に濡れるといずれは分解します。

従って、堆肥などにも使えます。

素材としてのワラは、柔らかく加工しやすいのが特徴です。

さらに、中が空洞になっているので、通気性が良いです。

従って、保温性能が高く軽いです。

マルチに好適な資材となります。

また、燃えやすいので、灰を利用するのにも便利です。

これらの資材の利用法については、まずワラについては、マルチとか堆肥にするのが主です。

米ぬかについては、少し昔になりますが何度かこの場で取り上げました。

必要であればこちらを参照願います

米ぬかについて

 

モミガラの成分と特徴

モミガラは、成分的には繊維質が70%、ケイ酸が17%、カリウムやカルシウムなどのミネラル分が1%弱、その他、といったところです。

ケイ酸が多いのが、他の資材と異なる大きな特徴です。

また、繊維質もリグニンとかセルロースなど、木材と同じような成分です。

従って、微生物に分解されにくい資材です。

また、肥料分として最も気になる窒素は、かなり少ないのも特徴です(CN比で70~80くらい)。

あと、面白いのは中のお米が抜けた、舟のような形をしていること。

これにより、軽く通気性がよくなっています。

モミガラの利用

上記特徴から利用法について考えてみましょう。

まず、通気性がよく、分解しにくいことから土壌改良に使えます。

畑に撒いて、鋤き込むだけです。

米ぬかの成分にはチッソ分が少ないので、窒素飢餓が心配ですが、実際は大きな問題となることはなさそうです。

あと、マルチは定番ですね。

特に、玉ねぎとかニンニクとか株間の狭くして育てる野菜では、小回りが利くので便利。

問題は、風で飛びやすいこと。

これには、モミガラマルチをした後に、さらに米ヌカを振る方法が提案されています。

そうすると、米ぬかが朝露で湿って固まり、モミガラを上から抑え込むというもの。

私も以前やったことがありますが、結構多めに米ヌカを振らないと効果がないようでした。

他には、通気性がよく軽いことを利用して、育苗培土にもされます。

米ぬかだけを使う人もいますが、普通は、他の資材と混ぜて使います。

さらに、分解しにくい素材ではありますが、それでも堆肥にする事も行われています。

モミガラを使って堆肥にするメリットは、通気性が良いこと。

これは、生ゴミを材料に使うのに適しています。

普通、生ゴミはそのままだと水分が多すぎるため、うまく発酵できない場合が多いです。

しかしモミガラを使うと、モミガラの通気性のため、いちいち水分を抜かなくてもそのまま使えます。

モミガラくん炭

モミガラは生のままでも使えますが、くん炭もよく使われますね。

これは、モミガラを蒸し焼きにしたもの。

モミガラくん炭は買うこともできるし、自分で作るのも比較的簡単です。

くん炭器の中にワラとか新聞紙とかを入れ、火をつけてそこにモミガラを被せます。

あとは、たまにかき混ぜながら、全体が黒くなるまで待つだけ。

全体が黒くなったら、水をかけて火を消します。

注意点としては、しっかり水をかけること。

一旦消えたように見えても、しばらくするとまた燃え出すことがあるので、よく注意しましょう。

あとは、かき混ぜる時に火傷しないように注意しましょう。

モミガラくん炭の特徴

くん炭にすることにより、ただでさえ軽いモミガラがさらに軽くなります。

あと、土に混ぜて使う時に、モミガラに含まれるケイ酸が植物に吸われやすくなります。

他には、色が黒くなる分、吸熱、保熱性が良くなります。

ちょっとつくり方が難しいですが、モミ酢もできます。

これは、くん炭の時に出てくる気体を、パイプか何かで冷やすとできる液。

これは自然農薬として使えます。

くん炭を土壌に撒くと、有用微生物が増えることが知られています。

具体的には、菌根菌という共生菌です。

菌根菌は、根に侵入するとともに、土壌に深く菌糸を伸ばして植物に水分やリンを供給します。

菌根菌は、他の微生物より弱く、栄養の多い場所では生育できないですが、炭があるとそこを住みかとすることができるためです。

まとめ

お米は日本で自給できる数少ない食料。

そこから取れるヌカ、ワラ、モミガラをただのゴミとして捨てるのはいかにも勿体ないですね。

今の時期では、特にモミガラは入手しやすいです。

ぜひ使ってみましょう。

参考にした本

農文協編 現代農業増刊 モミガラを使いこなす 農文協

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