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納豆は美味しい上に体にも良い理想的な食品ですね。

それを作り出す納豆菌も調べてみると実に魅力的です。

えひめaiなどの微生物資材にも用いられます。

そのそもどんな菌?

納豆菌は、一言で言うと好気性有胞子桿状細菌ということになります。%e7%b4%8d%e8%b1%86%e8%8f%8c%e6%a8%a1%e5%bc%8f%e5%9b%b3

サイズは長さ3μm、幅1μmくらいで細長い(桿状)形をしています。

核を持つ単細胞生物で、細胞分裂により増えます。

好適なpHは7〜8くらいの弱アルカリ性です。

生育適温は35〜45℃と、かなり高めです。

納豆菌は、私たちのまわりに普通にいます。

植物の葉っぱとか、実とか、花の蜜にもついています。

空気中を浮遊していたりもします。

中でも、ワラや枯れ草は良い住処となります。

枯れ草につく枯草菌と納豆菌は遺伝学的には同一種です。

ただし、枯草菌を納豆菌と同じように納豆作りに使っても、同じような食べ物にはならず、本当に同一種かというと異論もあります。

納豆菌の強さ

納豆菌は、環境が悪いと胞子を作り、休眠します。

この胞子が環境に対してめっぽう強いです。

熱に対する抵抗力が非常に強く、沸騰したお湯の中に何分も入れておいても大丈夫です。

それに、乾燥した環境や、強酸性、強アルカリ性の環境でも耐えられます。

また、繁殖力も非常に強いです。

さらに、他の菌の増殖を抑える働きも強いです。

これは、一つには、ナットウキナーゼとか、色んな分解酵素を持っていることが挙げられます。

これらの酵素で、他の菌を分解します。

また、ジピコリン酸という酸を作ります。

この酸も、強い抗菌効果を持っています。

昔は納豆は大豆をわらで包んで作っていましたが、他の雑菌が繁殖することなく、無事発酵できるのは納豆菌のこれらの強さのおかげです。

納豆菌の弱点

このような大変強い納豆菌ですが、もちろん弱点もあります。

まず、ナットウキナーゼをはじめとする酵素ですが、自分自身が溶かされます。

ナットウを長期間保存するとアンモニア臭がしてくるのは、このためです。

また、ゾウリムシやカビなどにも捕食されます。

後、強いのは納豆菌ファージという、納豆菌のみに感染するウィルスです。t4%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%bc%e3%82%b8%e6%a8%a1%e5%bc%8f%e5%9b%b3

月面に着陸する人工衛星のような形をしていて、納豆菌の細胞膜表面にくっつきます。

そして、中に拡散を送り込んで核酸を複製、増殖します。

納豆菌はこのウィルスにより溶かされます。

納豆菌の利用・・・食用

上記を踏まえて、次に納豆菌の様々な利用方法について紹介したいと思います。

まずは、なんといっても納豆として食用にすることですね。

おいしいだけでなく、体にも良い健康食品です。

健康増進効果について述べると、まずはナットウキナーゼが血栓を溶かす作用が有名です。納豆

このことから、心疾患の予防に効果的とされています。

それから、整腸作用。

前回述べた通り、納豆菌は他の雑菌の繁殖を抑える効果があります。

したがって、一部の大腸菌とか、クロストリジウムといった腸内の悪玉菌に対して抗菌作用を持ちます。

さらに、これとはある意味矛盾しますが、善玉菌の繁殖は促進します。

特に、乳酸菌やビフィズス菌の繁殖促進効果が有名です。

この原因については、現在でも十分明確にはなっていません。

ただし、乳酸菌は納豆菌が分解生成した糖分を利用して、生育を促進できるようです。

納豆菌については、乳酸菌の出す乳酸は苦手ですが、死ぬほどでもありません。

話は戻って、納豆の健康増進効果としては、上記の他にも血圧の上昇を抑えたり、活性酸素を除去したり、その他様々な効能があります。

殺菌剤

納豆の強い抗菌効果を利用した、殺菌剤が市販されています。

いわゆる生物農薬ですので、有機農産物に使用できます。エンドウうどんこ病

このシリーズでたびたび出てくるナットウキナーゼが、他の菌を分解します。

普通の農薬と同じように散布して、茎葉に付着させます。

主に、灰色かび病やうどんこ病のような空気感染性の病気に効きます。

堆肥作り

納豆菌の分解酵素はナットウキナーゼ(タンパク質の分解酵素)だけではありません。

デンプン、尿素、セルロース、ペクチン、活性酸素の一つである過酸化水素を分解する酵素まであります。

従って、堆肥作りには欠かせない有用菌となります。

もっとも、堆肥の原料の枯れ草や藁などに納豆菌は普通についているでしょうから、とりたてて納豆菌を接種する必要はないかもしれません。

それでも、市販の納豆や納豆菌資材は、優秀な菌を選別しているので、効果はさらに高まる可能性もあります。

納豆により有機物を分解したのちに、乳酸菌や酵母菌が働いて、植物にとっての有用物質が合成されます。

微生物菌液

上記に述べてきた通り、納豆菌はそれ自体が有用であるとともに、他の有用菌と併用することにより、効果はさらに高まることとなります。

このため、微生物農業資材としてよく用いられる、えひめAIやEM菌に、納豆菌はなくてはならぬものとなっています。

これらも、植物に直接散布したり、土壌に灌注したり、堆肥やぼかし肥に混ぜたりして使います。

<まとめ>

納豆菌は、強い抗菌作用や有用微生物との共生を通じて様々な利用方法があります。

農業用には、それ自体殺菌剤として用いられるほか、他の菌と併用して菌液などに用いられます。

納豆菌は身近に普通に存在していて強い菌なので、使い勝手のよい便利な菌ですね。

<参考にした本>

原敏夫 納豆は地球を救う リバティ書房

小泉武夫 納豆の快楽 講談社

<関連投稿>

えひめAI:作り方と個々の菌の働き

ウィルス、カビ、酵母