今回は元ユリ科の中で、特に重要野菜の多いネギ属についての特徴を大雑把に見ていきたいと思います。
ネギ属野菜の来歴
これは、起源は確定されていませんが、中央アジア近辺の高原地帯とされています。
この地域は乾燥してやせた土地、寒暖の差が激しいことが特徴です。
ステップ気候と呼ばれる、夏や冬など一定の季節にのみ降水量が多くなる気候区です。
これに適応して、ネギの祖先は生育は遅いものの、乾燥や暑さ、寒さによく耐える植物となりました。
従って、乾燥には比較的強いです。
また、夏場は乾燥するので、休眠するようになりました。
そこから、人間が運んだのかどうかはわかりませんが、東西に広がっていきました。
東には主にネギ、西には主にタマネギとかが伝わりました。
東のネギは、寒冷地でも生きていけるように冬の寒さに強く適応しました。
また、西のタマネギは夏に乾燥する地中海気候に適応するようになりました。
ネギ属野菜の特徴
上述の通り、寒さや乾燥に比較的強い野菜が多いです。
また、分けつしやすいという特徴があります。
ニンニクやらっきょうのように、分けつして、この鱗茎を利用して栄養繁殖により増やす種類の野菜が多いです。
一方で、タマネギやネギのようにタネから繁殖するものもあります。
ネギ属のタネは基本的には寿命が短いです。
従って、タネを採取する場合には、毎年とる必要があります。
生育途中では、栄養生殖から生殖成長に転換しますので、茎葉を収穫する場合には、とう立ちは摘み取る必要があります。
また、ネギ属の野菜は、植物体バーナリゼーションといって、一定の大きさになった時に寒さに会うと花芽をつくる性質があります。
従って、タマネギなどは特に、冬になる前に大きくしすぎないようにしなければなりません。
しかし球の肥大化を促進するためには、ある程度は大きくするする必要があり、加減が大事です。
まとめ
野菜を育てる際には、その種類ごとにどんな特徴があるか大雑把に把握しておくことは便利。
ネギ類の場合は、厳しい環境には強いが、生育が遅く他の植物の成長に負けてしまうことがあります。
また、一定の大きさになった時に寒さに会うと花芽をつくることが特徴です。
こうしたことを踏まえて植える時期をよく考える必要があります。