寝苦しい夜が続きます。

布団の上で仰向けになって天井を眺めていると、子供の頃に住んでいた古い家を思い出します。

夏の夜に眠っていたら、天井の上からタン、タン、タン、と小動物の足音がよくしていたものです。

何だろう、と親に聞くと、あれは、ネズミを追いかけているイタチの走る足音だ、と教えられました。

ネズミはまだしも、家の中にイタチがいる家って一体・・・と子供心に感動した記憶があります。

そう言うわけで、今回はネズミについてです。

ネズミは家の中にいて不衛生なだけでなく、畑にも出没して野菜を食い荒らします。

そうしたネズミの防除についても、考えてみたいと思います。

そもそもネズミってどんな生き物?

まずは、ネズミの一般的な性質について、ざっと見てみたいと思います。

ネズミは、ご存知のとおり、哺乳類。

哺乳類は世界中に4500種ほどいますが、そのうちネズミの仲間は1000から2000種類にもなります。

実に、全哺乳類の3分の1がネズミということになります。

他の哺乳類よりも、桁違いに多くの種類に分かれているわけです。

このように多くの種類に分かれているということは、ネズミがいろんな環境の土地に順応できるということに相当します。

ダーウィンは、
「強い者、賢い者が生き残るのではない。変化できる者が生き残るのだ。」
と言いました。

人間が絶滅した後も、ずっと長く生き続けるのでしょうね。

今でも、ネズミは哺乳類の中で最も繁栄している動物といっていいでしょう。

ネズミの生態

ネズミというと、色んな特徴があるりますが、まずは多産であることが挙げられるかと思います。

ねずみ算とも言いますよね。

例えば、ドブネズミは生まれてから死ぬまでの間に、だいたい15から20回出産します。

そして一回あたり6匹の子ネズミを産みます。

メス1匹あたり約100匹。

オス、メス2匹で割ると、1匹あたり、生涯で50匹くらいの子を産むことになります。

ネズミは最も繁栄している哺乳類と書きましたが、このような多産も大きな要因の一つと思われます。

余談ながら日本人は女性一人当たり1.5人弱。

日本人が最も繁栄している民族になるには、少し厳しいかもしれませんね。

もう一つ、ネズミといえば、丈夫な歯

よく、ビルの電線を切って、停電させりコンピュータシステムをダウンさせたり、という話も聞きます。

あれは別に電線を食べたかったわけではありません。

巣の材料にしたかった、あるいは自分が通るのに邪魔だったといった理由と考えられます。

あるいは、歯を研ぎたかっただけかもしれません。

歯を研がないと、のびすぎて食べ物が食べられなくなります。

ちなみに、またまた日本人を引き合いに出して恐縮ですが、最近の日本の若者は硬いものを食べなくなったと言われていますね。

その結果、顎が発達せず歯並びが悪くなったり、口の中の病原菌に対する抵抗力がなくなったりといった弊害が出てきているようです。

どうも、私たちはもっとネズミの生活を見習った方が良いかもしれませんね。

ねずみのこれら以外の特徴としては、

視覚はあまり発達しておらず、聴覚は敏感です。

また、味覚については、唐辛子はぜんぜん平気ですし、甘いものも好物です。

行動は主に夜行性で、日没直後に最も盛んに行動します。ついで 日の出前もよく動きます。

性格は保守的で、警戒心が強いです。

罠を仕掛けてもなかなか捕まりません。

ネズミは食欲が非常に旺盛で、1日に自分の全体重の1/3から1/4を食べます。

雑食性でなんでも食べます。

それも、一つの食品を全部食べず、少しずつ食い散らすのが憎らしいところです。

そのかわり、飢えには弱いです。

種類にもよりますが何も食べないと、2~3日で餓死してしまいます。

ネズミの分類

学術的な分類はさておいて、慣用的にはイエネズミとノネズミに分かれます。

イエネズミは名前の通り、人間の作った家とかビルとかに住むネズミです。

主に、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの3種類です。

この順に体が大きくなり、それに応じて強くなるとともに、たくさんの食料が必要となります。

従って、比較的広くて食料の多いところにドブネズミが住み、ドブネズミが住めないような狭くて食料の少ないところにクマネズミ、さらにクマネズミも住めないところにハツカネズミが住む、といった住み分けができています。

なお、本ブログでは農作物の被害という面からネズミについて書いていますが、イエネズミの中にも畑に出て野菜を食べることもあるので油断できません。

次にノネズミですが、ノネズミにも色んな種類がいます。

主だったものはハタネズミ、ヤチネズミ、ヒメネズミ、などなどです。

何しろネズミの種類はやたらと多いので、野に住むネズミの種類も当然多くなります。

このうち、畑を荒らすのは主にハタネズミです。

名前も畑ネズミから来ています。

ハタネズミは体調10センチちょいくらいの小柄なネズミです。

行動半径は数十メートルと、かなり狭めです。

そして、本州や九州にはいるのになぜか四国にはいません。

不思議ですね。

ネズミの駆除

具体的な駆除方法に入る前に、まずは鳥獣保護法から。

被害が発生しても、この法律のおかげですぐに退治できないことが多く、切歯扼腕することになります。

ねずみに関しては、この法律はちょっとややこしいです。

イエネズミは鳥獣保護法の対象外であり、誰に断ることもなく駆除可能です。

ノネズミは農業を営む上で被害を及ぼされる場合は、届け出なく駆除可能。

しかし、家庭菜園など事業でなく趣味で行なっている場合は、鳥獣保護脳の対象となり、原則として駆除する前に届出が必要な場合もあります。

しかし、地方によっては除外規定が設けられていて、届出が必要ない場合もあります。

さらに、イエネズミを駆除するつもりで捕まえて見たら、ノネズミだったということもあるかも知れません。

しかし、このように誤って駆除した場合は、お咎めなしです。

実際、ちょこまかと動き回るネズミを一瞬見てイエネズミかノネズミかを判断するのは素人には無理ですね。

まあ、法律は守りましょう。

で、駆除ですが、大きく分けて、物理的な方法で駆除するのと、農薬を用いて駆除する方法とがあります。

物理的な方法としては、生け捕りカゴとか、捕殺器(バネでばちんと挟むやつ)、粘着紙(鳥もちのようなもの)、などがあります。

一般に、化学的な方法よりは、駆除の効率は悪いです。

化学的な方法というのは、農薬、すなわち殺鼠剤です。

これは、すぐに死ぬ即効性のタイプから、ゆっくりと効く遅効性のタイプまで様々です。

すぐ効くタイプは、仲間のネズミが食べて死ぬのを見て、残りのネズミが警戒するという問題があります。

遅効性のタイプはこれを改良したもので、食べても最初は何ともないけれども、しばらくすると死にます。

ただし、これは効き目が遅い分、耐性ができて死ににくなる個体が出てくる可能性もあります。

いずれの方法も一長一短で、なかなか決定打がないのが現状です。

で、実際にこれらの駆除をするにあたり、重要なのがネズミの生態をよく見極めることです。

ネズミは用心深いので、設置してもなかなか引っかかりません。

被害の現場をよく確認し、フンが落ちている場所、足跡がついている場所、巣穴などよく調べましょう。

そのうえで、必ずここを通るであろうと、確信を持った場所を選定します。

さらに、いずれの方法を用いるにしても、まずは外見だけ同じようなもので効果のないものを置いておきます。

そして、ネズミが慣れたと思われる頃に、本物に置き換えます。

そして置き換えた後も、場所をちょくちょく変えたりせず、何日かはそのままにしておきます。

なお、ここでは述べませんでしたが、天敵利用という手もあります。

ネコが最も扱いやすいでしょうが、普通のキャットフードなどを与えていたら、ネズミを見ても食欲を感じないかもしれません。

それなりの訓練は必要かもしれませんね。

まとめ

ネズミは地球上で最も繁栄している哺乳類です。

環境に応じていろんな種類に進化している上、多産でかつ警戒心も強いため、防除は困難です。

ネズミの駆除方法について色々と書きましたが、完全撲滅するのはなかなか無理があります。

他の有害動物と同様、うまく付き合っていくしかないでしょう。

参考にした本

川内博 遠藤秀紀 カラスとネズミ 岩波書店

中井多喜雄 ネズミと害虫退治の科学 日刊工業社

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