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栽培技術に関する本

青木恒男 青木流野菜のシンプル栽培 農文協
 
薄上秀男 発酵肥料の作り方 使い方 農文協
 
池田英男 川城英夫 野菜栽培の基礎(農学基礎セミナー) 農文協
 
吉田澪 やさしい土の話 化学工業日報社
 
福岡正信 無3 自然農法 春秋社
 

 

青木恒男 青木流野菜のシンプル栽培 農文協

ジャンル・・・植物栽培一般、営農
レベル・・・中級
特徴・・・小規模栽培、不耕起栽培、ゼロベースマネージメント、ハウス栽培、元肥ゼロ

 

著者はタイトルの通り、青木さんという三重県の専業農家の方です。

この人を初めて知ったのは、雑誌の現代農業の中で氏の記事を読んでです。

そして、読んだ感想は「この人はすごい!」の一言でした。

何がすごいかというと、ものの見方、考え方が極めて合理的なところです。

例えば、この本の中では、肥料として、化学肥料の単肥を使うことを勧めています(それ以外もありますが)。

単肥を勧める理由は、安い、肥効の計算がしやすい、施肥量がわずかでいいのでラク、などの理由です。

私たちは、ついつい有機肥料の方が良いとか、いや、無肥料で栽培すべきとか、先入観や価値観で行動が左右されがちです。

それが悪いというわけでは全くありませんが、この本ではそのような理念や情緒を一切排して、いかに省力、小面積で収益を上げていくか?という目的本位に書かれています。

この本の底流にある理念に、ゼロベースマネージメントという考え方があります。

ゼロベースマネージメントとは、既存の方法に何かを足したり引いたり、というのではなく、何もない真っ白なゼロベースの状態の中から、必要なものだけを採用するという考えです。

栽培技術としては、主に耕耘、除草、施肥、農薬散布などなどがあります。

しかし植物は本来は、人間が何もしなくても勝手に育つもの。

ですので、何もしないことをベースに、必要最小限のお世話をするというのがこの本の基本理念。

ちなみに、目次を見れば元肥不要、耕耘不要、堆肥不要・・・とやらなくても良い作業を徹底して省こうとしています。

栽培条件が同じでないため、この本の通りに行ってもうまくいかないかもしれませんが、こうした考えで実際に営農している人の事例を学ぶことは大変参考になるのでは、と思います。

青木恒男 青木流野菜のシンプル栽培 農文協

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薄上秀男 発酵肥料の作り方 使い方 農文協

ジャンル・・・自作肥料

特徴・・・発酵肥料のできる過程での菌の働きを詳しく解説

 

発酵肥料というのは、筆者が作っている有機肥料を自分で名付けたもの。

ボカシ肥とは違うと書いてありますが、まあボカシ肥だと思います(失礼)

それはともかくとして、このようなボカシ肥の作り方の本としては、私が読んだ中ではこの本が最も良いです。

作り方、使い方が非常に実践的に詳しく述べられているとともに、酵母菌やら乳酸菌など個々の菌の特徴も詳しく述べられています。

かつ、有機だけでなく、化学肥料を混ぜることも勧めるなど、有機にこだわりすぎてもいません。
 
この本ではありませんが、別の本に筆者の体験談が書いてありました。

それによると、著者は、以前、福島県で農業指導員をしていたそうです。

その頃は化学農薬全盛で、それによりハウス病などと言われる健康障害も発生していました。

そして、筆者も罹患し、生死をさまようくらい重篤な症状となってしまいました。

何も食べられなくなってしまい、無理に食べてもすぐに戻してしまいます。

そんな時に唯一の栄養源となったのが、ビール。

これをすりつぶして飲んで、かろうじて栄養分を補給していました。

その後、いろんな民間療法をとりいれ、味噌汁なども食べられるようになり体力を取り戻していきます。

そうした体験が、筆者の発酵に対する深い理解と実践に結びついたのではないかと思います。

そして、本書はそのような実体験に裏打ちされたものであり、強い説得力が感じられます。

薄上秀男 発酵肥料の作り方 使い方 農文協


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池田英男 川城英夫 野菜栽培の基礎(農学基礎セミナー) 農文協

ジャンル・・・自作肥料

特徴・・・教科書、慣行農法

 

これは、農業高校の教科書を一般向けに出版したものです。

私が持っているのは教科書そのものですが、内容はほとんど同じです。

教科書だけに、幅広い内容を実に要領よくまとめてあります。

発芽や開花、結実といった植物の整理から、主だった野菜の収益性や作業工数まで、これを見れは一通り理解できます。

ただし、栽培方法は、それほど細かい作業について書かれているわけではなく、個々の野菜の性質を踏まえてこうすべき、といった原理的な内容が多いです。

また、将来職業としての農業を営むことを前提に書かれており、慣行農法が主体です。

この野菜栽培の基礎(農学基礎セミナー)という本は一般の書店で売られています。

教科書そのものを買いたい場合は、教科書取扱店という書店があります。

「教科書取次店 ○○県」などと検索すれば出てきます。

(教科書の場合はタイトルはそのものずばり「野菜」という名前)

この他にも、私たちの参考になる農業高校の教科書は色々とあります。

私が持っている教科書は、上記の本の他にあと二つあります。

一つは、「農業の経営と生活」(教科書名:農業経営)。

簿記や原価計算、経営診断など、経営の基礎に関わる全般的な内容について書かれています。

やはりこれもわかりやすいですし、農業以外にも役立ちます。

もう一つは、「農業の基礎」(教科書名:農業科学基礎)。

これは前回紹介した「野菜栽培の実際」よりも、実践的な内容です。

多分、高校の実習で使うのではないかと思います。

稲や豆、トマトなどの植物の他にも、鶏の飼育などについても詳しく書かれていて、やはり非常に参考になります。

ただし、野菜でいえば、トマトやスイカ、キャベツなど代表的な品目に限られているのが、仕方がないとはいえやや残念です。

この農学基礎セミナーシリーズは、他にも「作物栽培の基礎」、「草花栽培の基礎」等々色々あります。

それぞれ興味に応じて、買い揃えるのもよいかと思います。

池田英男 川城英夫 野菜栽培の基礎(農学基礎セミナー) 農文協

七戸長生 工藤賢資 農業の経営と生活 農文協

ジャンル・・・経営
特徴・・・簿記、組織運営、経営診断

生井兵治 上松信義 相馬暁 農業の基礎 農文協

ジャンル・・・農業全般
特徴・・・教科書、栽培学習、飼育学習

 
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吉田澪 やさしい土の話 化学工業日報社

ジャンル 土壌一般
特徴 平易で理解しやすく書かれている、土壌診断の指標について重点をおいた構成

土についての教科書的な本です。

土の話はメルマガなどでもよく取り上げています。

が、アンケートなどで見て見ても、いまひとつ受けが悪いです(苦笑)

CECとかECとか、馴染みのない単語がたくさん出るため、難しく感じられるのでしょう。

そして、その結果、興味も薄れてきます。

しかし、野菜栽培にとって、土は死活的に重要です。(土を使わずに育てている人もいますが)

土のことを少しでも気にして管理することで、野菜栽培は大きく腕が上がることと思われます。

そういう意味で、土について勉強するには、この本は最適です。

平易に書かれていて、すっと頭に入ってきます。

この本で特に土壌診断に重点を置いて説明されています。

栽培の上で土壌診断を正しく行い、それを理解して管理することは非常に重要です。

ただし、これらを実際に行なっている人は、必ずしも多くはありません。

著者は、こうした現状を鑑みて、土壌診断の記載に注力したと書かれています。

この本を読んで、土壌診断を正しく使いこなせれば、栽培技術も一段とアップすること間違いなしですね。

吉田澪 やさしい土の話 化学工業日報社

 
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福岡正信 無3 自然農法 春秋社

ジャンル・・・自然農法

特徴・・・無農薬、不耕起栽培 哲学的な本

 

筆者は、自然農法の創始者の一人といってもよい人です。

無除草、無肥料、不耕起、無農薬の基本理念を確立しました。

「奇跡のリンゴ」で有名な木村秋則氏を始め、筆者の自然農法の影響を受けた人は多いです。

その人の書いた、自然農法の教科書的な本がこれ。

「無」は第1部~3部までありますが、第1、2部は思想的、哲学的な内容となっています。

自然農法の実践的な内容は第3部となります。

本書では、無肥料、無農薬、無除草、不耕起を標榜しています。

しかし、自然農法をしている人でも、これらを全て満たしたやり方は、ほとんどなされていないのではないかと思います。

この本自体も、よく読んでみると、草引きしたり鶏糞を振ったりしています。

従って、上記四つを全て守ろうとはせず、真似できるところだけ真似るのが良いかと思います。(本書では、このようなやり方は強く戒められていますが)

そのような矛盾はさておいても、本書は筆者の体験をもとに、個々の技術や思想、理論を体系化して書かれた、非常に重要な記録と思われます

自然農法を指向していない人も、一読してみる価値はあるでしょう。

岡正信 無3 自然農法 春秋社


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