ヌートリア1 昔、「驚異の世界」というテレビ番組がありましたね。

子供の頃、よく見ていました。(年がバレてしまいますが)

深海に潜む異形の魚や、ジャングルの奥深くに住む極彩色の昆虫など、珍しい生き物に目を輝かせていたものです。

そんな昔のある夏の日。

「驚異の世界」の取材班が我が家にやってきたのです!

そして、「取材をさせて欲しい」と言うのです!!

「驚異の世界」に取材される我が家って、都会の人から見たら驚異の世界?

子供心にもショッキングでした。

で、なんの取材かというと、ヌートリア。

一言で言うと、大きなネズミのような生き物です。

ちなみに、そのときの取材では、ヌートリアを捕獲するために田んぼに大きな檻を仕掛けていました。

しかし、残念ながらヌートリアは現れず、我が家の田んぼがテレビに出ることもありませんでした。

そして後日、テレビに映ったのは、我が家の隣村の景色。

そこでは見事、ヌートリアを捕獲していました。

そして捕獲されたヌートリアは、ひとしきりいじくり回された後、また田んぼに逃がされた!

あ〜、イネが食われる!!

テレビの前で、再びショック。

そんな思い出深いヌートリアが今回のテーマです。

性質

ヌートリアは、もともとは南アメリカの原産。ヌートリア2

南米原産だけあって、寒さには弱いようです。

従って、繁殖しているのも、西日本が中心です。

体調は50センチくらいで、後ろ足に水かきがあります。

水生植物の茂みの間にトンネルを掘って巣作りし、雌雄で暮らしています。

夜行性ですが、厳密に夜のみ活動するわけではありません。

条件が良ければ昼間でも活動しています。

私も真昼の畑で見たこともあります。トウガン食害

非常に大食いで野菜、イネ、果物等、植物は好き嫌いなくほとんど何でも食べます。

そのなかでも、やはりイネの被害が最も大きいです。

食害される他に、田んぼの畝や土手に穴を開けるという被害もあります。

防除

主な対策としては、捕獲や囲い地などです。

当地では、特にウリ科の野菜を育てる時には厳重に四辺を金網で囲んでヌートリア除けをしています。

あるいは、護岸工事で川岸がコンクリートで固めたりすると、住まいを奪われて、いなくなることもあります。

コンクリート護岸というと、生態系の保護の点からはあまり望ましいとはされていませんが、ヌートリアの駆除の点からは有効です。

このように、被害を抑えるためには地域全体で集中して対策を取ることが有効であるとわかります。

ヌートリアは、水辺の温度変化の大きいところでも過ごせることから、耐寒性のよい毛皮が取れます。

そのため、日本を含めた世界各地で飼育されました。

日本の場合は、和名が沼狸(しょうり)と名付けられています。

太平洋戦争の時、ゴロがいいので盛んに飼育されました。

しかし、その後毛皮の採算が合わなくなったため飼育放棄され、野生化して定着しました。

現在、日本で増殖中

現在、ヌートリアは中国地方や、近畿地方を中心に広く分布しています。

繁殖力が強く、瞬く間に増えていきます。

出産は年2〜3回、冬でも出産します。

1回につき平均5匹くらいの子供を産みます。

日本、及び世界の侵略的外来種ワースト100にも選定されています。

ヌートリア自体は、他の動物と比べて取り立てて強くもなければ足が早くもないのにこんなに増えるということは、やはり繁殖力の強さが大きいのでしょうね。

アブラムシなども柔らかいし簡単に殺せる弱い虫ですが、繁殖力はものすごく、結果として重要害虫となります。

多産は、繁栄のための必要条件かもしれませんね。赤子

翻って考えて見ると、現在の日本人の出生率は女性1人あたり1.4人。

侵略的外来種にはなれそうもなく、むしろ絶滅危惧種に選定して保全活動を行わなければならないかも。

参考にした本

山田文雄、池田透、小倉剛編 日本の外来哺乳類 東京大学出版会

池田透監修 外来生物が日本を襲う 青春新書

関連投稿

ネズミとその防除