田園

今の時期は農閑期で、あまり作業のない人も多いかと思います。

こういう時は、次の作付けを考える絶好の時期ですね。

来年の計画をしっかり立てて、準備しておきましょう。

ご参考までに、私は自分の圃場を4つのブロックに分けています。

それぞれ、大雑把にナス科、ウリ科、葉物野菜、マメ科です。

そして、それをローテーションを組んで作り回しています。

連作障害があるので、同じものを同じ場所で何年も作らない方が無難ですね。

その前に、まずは連作障害について

連作障害は、忌地(いやち)とも言います。

同じ作物を何年も作っていると、生育が悪くなったり病気にかかりやすくなったりする現象です。

原因は必ずしも明らかになっていませんが、主に3つあるとされています。

1)養分不均一

 

植物の種類によって、必要とする成分に偏りができるために、育ちにくくなるという考えです。

植物に必要な微量元素が、少なくなると当然生育は悪くなります。

では、肥料分は沢山あればいいかというと、そういう訳でもありません。

例えば、土壌中のアンモニア濃度が高くなるとカルシウムが吸着しにくくなります。

他には、カリウム、カルシウム、マグネシウムのどれかが高くなりすぎると、それ以外の成分が吸収しにくくなります。

逆に、マグネシウム濃度が高くなると、リン酸や窒素が吸収しやすくなるということもあります。

このように、色んな成分濃度により、別の成分の吸収量が変わります。

従って、同じ作物を同じような施肥で作り続けると、どうしても吸収されてなくなりやすい成分と吸収されずに蓄積される成分が出てきます。

2)アレロパシー

 

アレロパシーとは、本来は「他感作用」と訳され、ある植物がつくる物質が別の種類の植物に対して何らかの作用を及ぼすことです。セイダカアワダチソウ

セイタカアワダチソウが他の植物の生育を抑える物質を出す、というのが有名ですね。

しかし、今ではアレロパシーは、同種の植物に作用を及ぼすものも含まれます。

例えばジャガイモは、ジャガイモ同士の生育阻害物質を自分が分泌します。

その結果、連作すると生育が悪くなります。

3)病原菌

 

連作により、その野菜を食害する病害菌やセンチュウなどが増えるという考えです。

連作障害の直接原因として、もっとも多く報告されているのが、これです。

農薬で退治できればいいのですが、リサージェンスという現象に注意しなければなりません。

これは、ある病害虫を防除するために農薬を撒くと、かえってその病害虫が増えてしまうという現象です。

農薬によって、その病害菌の天敵がいなくなったり、競争相手がいなくなったり、その病害菌が抵抗性を持ったりすることが原因です。

ですので、余程念入りにやらなければなりません。

私の知りあいのトマト農家は、連作障害を防ぐために冬の間ずっと土壌消毒を行っているそうです。

従って、有害生物の性質をよく知っておく必要があります。腐ったスイカ

例えば、スイカは連作障害の起きやすい植物として知られています。

スイカには色んな病気がありますが、代表的なのがつる割れ病です。

これは、フザリウムという菌が寄生することにより発生します。

このフザリウムの生存期間は5〜15年とされています。

従って、一回作ってから5年くらいはスイカを作る期間を空けましょう、ということになります。

このフザリウムは色んな種類がいて、色んな植物に寄生しますが、寄生する対象となる植物の範囲は狭いです。

従って別の植物を植えると、スイカに害を及ぼすフザリウムは自然に減ってきます。

ローテーションの考え方

連作障害についてざっと知った上で、作付けを考えてみましょう。

考える方としては以下のような感じです。

1)まずは、作物のことを知る

 

主要な植物を、種類により大まかに分けてそれらの性質を把握します。

例えば、

・トウモロコシやイネ科の雑穀類は肥料を沢山食う、根が深く張る

・ネギやタマネギなどのユリ科野菜は、病害虫の繁殖を抑える

・ウリ科は地面を覆うことにより、草除けになる

・ナス科、アブラナ科野菜は虫がよく来る、肥料食い

といった感じです。

2)作物の相性から後作を考える

 

自分が植える作物の性質を把握した後、この性質に沿って、後作を考えます。

主に、物理性、化学性、生物性の観点から考えます。

まず、物理性という意味では、例えば軟弱野菜は根が張りにくいから前作が根菜類の跡地に植えよう、といったことが考えられます。

化学性という意味では、ナス科やアブラナ科のような多肥の植物の後作に、イネ科やキク科のような肥料食いの植物で掃除するとか、マメ科の野菜で土を肥えさせてからナス科の野菜を作るとかです。

生物性では、アブラナ科、ナス科の植物を育てて病害虫がつきやすくなったので、後作でユリ科やキク科の植物を植えるとか、前作は雑草が生えて困ったので、いっそ一作分を諦めて緑肥を植えてすき込んでしまおうかとかです。

3)作業性を考える

上記の作物の相性を考えた上で、作業の利便性を考えます。

収穫後の調整に手間のかかるマメの後作に、管理に手間のかからないムギか何かを入れるとか

あるいは、前作に使った資材を後作に使い回しができないか、とか。

例えば、キュウリで支柱を立てて栽培していたものを、終わった後に撤去せずにつるありインゲンを育てて支柱をそのまま使うとかです。

私が今年トライしているのが、タカキビの後作にエンドウマメです。

タカキビは背の高い作物ですが、それを根っこから刈り取らずにある程度の高さまで残して収穫します。

そして、それを風除け兼支柱代わりにして育てようという腹づもりです。

まだ上手くいくかどうかわかりませんが。

色々とご都合はあるでしょうが

こんな風に作り回していきたいのはやまやまだけれども、色んな事情で、同じ場所で同じ植物を植え続ける必要のある人もいるかもしれません。

そうした場合も、主力の作物の間に、少し別のを入れるだけでだいぶ違います。

昔、稲作の合間にレンゲを植えたようなものですね。

野菜栽培でも、主力野菜の間にホウレン草とか春菊とかわけぎのような野菜はよく入れられます。

手早く簡単にできるし、上述の物理性やら生物性が多少とも改善できます。

最悪は、収穫しなくても良いです。

何かが生えているだけで、土が保護され、風雨による流亡が防がれたり土の有機分が増えたりします。

 

以上、いろんな考えがあると思いますが、しっかりと計画を立てて、実行しましょう。

よく、PDCA(Plan−Do−Check−Action)と言われます。

プランが上手くはまればとてもうれしいですし、失敗してもどこが悪かったかよくわかり、次につながります。

まとめ

輪作は、連作障害を抑えて作物を健全に育てたり、農作業を効率良く行うのに有効な方法です。

自分の育てる作物についてよく知り、それを元にしっかりとした計画を立てましょう。

<参考図書>

有原丈二 自然と科学技術シリーズ 現代輪作の方法 農文協

窪吉永 あなたにもできる野菜の輪作栽培 農文協

農文協編 農家が教える混植・混作・輪作の知恵

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