トマト種栽培のために色んな種を買っていることと思いますが、特に果菜の種などは多すぎて全部使えるものでもありませんね。

どうしても、余った種が出てきます。

それをどうしていますか?

以前にアンケートを取ったことがありますが、捨てる人が多いので驚きました。

私はセコイので、できれば何年も使い回したいです。

その際に、植物によって種の寿命は違います。

種子の種類と寿命

大きく短命種子、中くらい、長寿命種子と分けますと、だ在来大豆

短命種子(有効期間が1年〜2年)
ユリ科の野菜、例えば玉ねぎ、ネギやセリ科のニンジン等

中くらいの寿命(3〜4年)
アブラナ科のダイコンやコマツナ、キク科のレタスやゴボウ等

長寿命種子(5年〜6年)
ナス科のナスやトマト、ウリ科のウリやスイカ等

(資料によって書かれている寿命は微妙に異なりますが、上記は今までの経験上、感覚的に最も近い値を採用しました)

となります。

短命種子は仕方がないとしても、それ以外の種子は取っておきたいですね。

保管方法については、乾燥した条件で密閉して冷暗所に置いておきましょう。

ところで、上記のようにタネの種類によって寿命は結構大きく異なります。

植物全体に目を向けると、もっと幅が大きくなります。

短命種子の代表格はヤナギで、母体の木を離れてから1週間くらいでもう芽が出なくなるそうです。

逆に長いものは、マメ科の種子が多く、保管さえきちんとしていれば何10年持つものもザラです。

あとは、ハスも長いです。

有名なのが大賀ハス。は大賀ハス

終戦後に、大賀博士というハスを研究している先生が、千葉県で大昔のハスの種を発見しました。

それを蒔いたら、芽が出て花が咲きました。

その種ができたのが、約3000年前と推定されていますので、縄文時代後期から弥生時代に相当します。

この大賀ハスは、今でもあちこちで株分けされて、綺麗な花を咲かせています。

しかし、種の構造は似たようなものなのに、1週間しか持たないものもあれば、3000年くらい持つものもあり、あまりにも違いすぎます。

種子の種類により、なぜ違う?

どうして、こうまで違うのでしょう?SN3D0532

この原因については、詳しいことはほとんどわかっていないようです。

それでも、幾つかの仮説は挙げられています。

1)保存期間中に、種に貯蔵している養分がなくなること

2)胚のタンパク質が変質すること

3)種子の中の酵素やホルモンの活力が失われること

4)種の呼吸により作られる有害物が、中に蓄積されること

5)染色体の構造が変化すること

等々です。

あと、大賀ハスで言えば、種皮が硬く丈夫で外の環境の変化から中身をよく守っていたとされています。

こうした種皮の丈夫さも影響すると思われます。

いずれにせよ、種子の寿命一つとっても、生命の謎は深く尽きません。

何年も植物を栽培していると、種を蒔けば芽が出るのは当たり前くらいに思いがちです。

でもこうして考えてみると、芽が出るだけで新鮮な驚きを感じます。

そして、発芽した小さな生命を慈しみを持って、大切に接しようという気持ちになります。

<参考にした本>

中山包 発芽生理学 内田老鶴圃

幸田泰則 桃木芳枝 編著 植物生理学 三共出版

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