乾いた土
冬は、土作りの季節です。

ただし、土作りをすると言っても、現在の畑の状態がどうで、どんな状態を目指していくかといった指針が必要です。

そのためには、土がどんな状態かを知るための分析が必要。

世の中には、多数の土壌分析手法があります。

業者にそれを委託することもできるし、簡便に分析するキットも市販されています。

が、ここでは最も簡単なところから。

土を掘ってみよう

すなわち、掘ってみるところから始めてみましょう。土を掘る

スコップで断面がよく見えるように、間口を開けて掘っていきます。

また、掘った土はできるだけ崩さないようにして、後で元に戻せるように、置いておきます。

掘り始めの最初は、土は比較的柔らかく黒っぽいことと思います。

ここは作土層。

主に、作物の根が広がるのはこの領域です。

しばらく掘り進めると、色は同じですが、硬くしまった層が出てくるかもしれません。

ここは耕盤です。

農機などで押し固められた層です。

さらに耕盤層の下まで掘り進めると、心土が出てきます。

これは、普通は作土よりも明るい色をしています。

五感を総動員して

心土まで到達したら、断面を観察します。

観察の前には、ハケか何かで露出した断面を軽くはきます。

そして、じっくりと観察してみましょう。

まず、作土、耕盤層の厚さはどのくらいでしょうか?

作土は、普通は厚い方が良いですね。

色はどうでしょう?

腐植分が多いと黒っぽくなります。

肥えた土ということになります。

ハケではたいた後の表面はどうでしょう?

なめらかであれば単粒構造、ブツブツしていれば団粒構造が発達しています。

耕盤はあるかどうか、あるとすればどのくらい厚いか?

これがあると、根が伸びにくくなったり水分が抜けにくくなったりするというので、好まれません。

さらに、断面のいろんな深さの部分を指で触ってみます。

冷たいときは、土の水分が多いことになります。

水分の蒸発熱で、指から熱が奪われるためです。

また、少し指で押してみて硬さを見てみます。

もちろん、柔らかい方が根が伸びやすいということになります。

土を少しとって、砕いて指の腹でこすってみます。

ざらざら具合で、大体の粒の大きさがわかります。

日本人とフランス人の触覚は、世界の中でも非常に優れていると何かの本に書いてありました。

とった土の匂いを嗅いでみてもいいでしょう。

腐植臭がするようであれば、有害菌がいるかもしれません。

こんな風に、観察するだけでいろんなことがわかります。

土の表面でも

上記のような観察は、土の上からでももちろんできます。

土の色や匂いを観察したりとか、押して硬さを見るとか以外でも、肌触りとか、どんな生物がいるか、など日々の農作業の中でも容易にチェックできます。

あるいは、水やりした後の土の状況なども参考になります。水濡れ後

ザーッと水をかけると、水たまりができますが、これが濁っているかどうかチェックします。

もしも水が濁っていれば、これは小さな土の粒子が遊離して水中を漂っているわけなので、団粒構造が発達していないということになります。

このような状態で水やりをしていると、土が膜を張ったようになり、中に水が入らなくなります。

逆に、水が濁らず、水たまりができてもその後にすっと中に入るようであればOKです。

雑草の観察

他に、そこに生えている雑草を観察してみることも有用です。ホトケノザ一面

例えば、生えている雑草の種類により、大雑把に土のpHがわかります。

オオバコとかスベリヒユ、スギナなどが生えているようだと、酸性の強い土壌ということになります。

これが少し弱酸性になると、ヒメムカシヨモギとかノボロギクなどが生えています。

さらに、ハコベやカラスノエンドウが生えていると、だいぶ中性に近づいています。

肥料成分の量は、ホトケノザとかエノコログサ等が参考になります。

肥料成分が少ないと、エノコログサがよく生え、肥料分が増えてくると、ホトケノザが生えてきます。

あるいは、生えている雑草の葉色を見ても良いでしょう。

スズメノカタビラなど、どこにでも生えている印象がありますが、肥料分の多い土では、やはり葉が青々としています。

もしエノコログサが生えていたら、背の高さも参考になります。

エノコログサは、硬盤があると根が深くまで伸びられず、その結果、背も高くなりません。

従って、背の高さにより、耕盤層が浅いところにあるかどうかがわかります。

土を知ることで愛情を育む

以上、色々と書きましたが、最初は土を観察してもよくわからないかもしれません。

自分の畑とか、人の畑、いろんな畑の土をずっと見続けていきましょう。

そして、そこで野菜がよくとれたとか、おいしかったという結果と合わせて評価していきます。

それにより、土の良し悪しがわかってきます。

そして、わかってくると楽しくなります。

それとともに、土に愛情をもって接することができるようになります。

土は、ご先祖様から受け継いで、将来の子孫に渡していくとても大事な資産です。

私たちの代で食いつぶさないように、大切に扱っていきたいですね。

参考にした本

農文協編 土をみる、生育をみる 農文協

宮崎毅 西村拓編 土壌物理実験法 農文協

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