ナス水やり後

これから、植物もどんどん大きくなる時期です。

肥料も元肥、追肥、色んな種類のものを施すことと思います。

肥料は、主に根から吸収されて、植物体内を移動します。

しかし、肥料分を外から吸収できるのは、根だけではありません。

茎や葉からも吸収できます。

葉からの養分吸収

植物の体の各部から、どの程度肥料分を吸収できるか調べた結果があります。

その結果、一番よく吸収する能力があるのは、新根と新葉でした。

この二つは、どちらも同じくらいです。

とすれば、肥料は土に施さずに、葉に散布するという方法も有効なはず。

実際問題、葉に散布するのは様々なメリットがあります。

例えば、根の活力が衰えた時など、肥料を入れると植物がダメージを受けることがあります。

そうした時には葉面散布は有効です。

あるいは、果樹などで根が深くに張っていて肥料分が届きそうにない時にも使えます。

また、各種の肥料分を植物が吸収しにくいような土壌となっている場合にも。

植物は、水に溶けた形で肥料分を吸収しますが、土壌の条件によって溶けにくくなります。

例えば、土壌のpHが高くなりすぎたたときには、鉄やマンガンなどの微量成分は水に溶けにくくなります。

そうした時に、これらの肥料分を水に溶かして散布すれば、植物は有効に吸収できます。

デメリットは?

一方で、デメリットの方はそんなに考えられません。え液肥

強いてあげれば、濃度を間違えて散布すると、濃度障害が出やすいことが考えられます。

あとは、複数の成分を吸収させようとして一つの液に混ぜると、反応して固化したり揮発したりすることもありえます。

いずれも、市販の液肥を用いれば問題ありません。(ただし、やや高いですが)

また、自分で溶かすのでも、使い方をしっかりと守れば問題ありません。

それでも、さほど有効性を喧伝されないのは、植物は根から養分を吸うもの、という固定観念があるからかもしれませんね。

こんな方法は、自然の摂理に反することだ、と。

あと、有機栽培を志向している人にとっては、適当な液肥がないということもあるかもしれません。(し尿とかありますが、あまり使いたいと思わないかも?)

使い方によっては、葉面散布は非常に便利ですので試してみていただければ、と思います。

私も、えひめaiに尿素を混ぜて散布しています。

葉面散布の方法

具体的な葉面散布の方法ですが、まず、窒素源としては尿素がよく使われます。ふ噴霧器

他の肥料、例えば硫安などでは、水に溶かすとアンモニウムイオンや硫酸イオンなど、イオンの形になります。

これらは電荷を帯びていて、反発力が働いて吸収率がやや落ちます。

尿素はイオン化しないで、葉に浸透しやすいです。

他に、葉の表面のクチクラ層をゆるくする、という説もあります。

水に混ぜて、0.5%くらいにします。

その際に、展着剤を一緒に入れるのが有効。

水が葉の表面で弾くのを防いで、液が乗りやすくなります。

また、葉の表より裏の方が吸収しやすいです。

葉の表はワックスで厚く保護されています。

尿素は即効性があり、散布して数時間で効き始めます。

窒素以外ではリン酸とかカリとかの主要養分も使用できます。

ただし、これらの多量に必要とされる成分については、葉面散布だけでこれらの全部賄うのはやや厳しいです。

足りないと思った時に、即効的に使うのが普通です。

リン酸やカリは窒素よりやや効きが遅く、散布して数日かけて吸収します。

主要成分以外では、カルシウム、ケイ素の施肥などにもよく使われます。

これらは、植物の体を強くして、病気になりにくくする働きがあります。

あとは鉄、ホウ素、マンガン、銅、亜鉛などの微量要素の補給にも有効です。

これらは、上述の通り土の中で固形化しやすいので、葉面散布は便利な方法です。

<参考にした本>

渡辺和彦 作物の栄養生理最前線 農文協

米山忠克 長谷川功 関本均 牧野周 間藤徹 河合成直 森田明雄 新植物栄養・肥料学 朝倉書店

<関連投稿>

栽培技術、農業資材 ー 尿素

展着剤