だいぶ涼しくなってきました。

夏の間苦しめられていた雑草の生育も、一息ついてきた頃ですね。

畑に生えている草も、単に刈り倒すのであれば面倒なだけですが、これを利用することを考えられば、まだしもやる気も出てきます。

今回は、雑草を利用する手を考えてみよう、というのがテーマです。

食べる

クズは、現在では防除することが極めて困難な強害雑草ですが、昔はさほどでもなかったと聞いたことがあります。

というのは、昔はクズの塊根をお餅にしたりクズ湯にしたりして食べていたため、そんなに増えなかったとのことです。

しかし今は、社会が効率最優先になって、そんな面倒くさいことはされなくなり、放置されて雑草としてはびこり出したのだとか。

ということで、邪魔なものを食べてしまうというのは最も基本的な対策として考えられます。

その気になれば、食べられる雑草は多いです。

夏の強害雑草の中では、スベリヒユなど、かなり食べられています。

茎を和え物にしたり、炒めたり、サラダにしたりします。

エノコログサは雑穀のアワと同じ種類に属します。

というか、エノコログサの改良によって、アワが作られたものと考えられています。

従って、エノコログサの実を食べることもできます。

煎ったり、天ぷらにしたりすると美味しいようです。

栄養面では、イヌビユやギシギシの葉っぱは、ホウレンソウに匹敵するくらいのビタミンCが含まれています。

他にも、畑に生えて困っている草を調べてみれば、何かしら食べ方が紹介されているかもしれませんね。

薬にする

食べたくても、毒草であればそうもいかない、という場合もあるかもしれません。

というか、ほとんどの植物は、動物に食べられるのを防ぐために、多かれ少なかれ毒をもっています。

「食事とは緩慢な自殺である」という学者もいるくらいです。

しかし、毒と薬は表裏一体。

毒があるということは、使い方を工夫すれば薬にもなります。

例としては、ドクダミなどは有名ですね。

化膿止めとか解毒などの効果があります。

また、オオバコは利尿薬となったり、炎症や咳を鎮める効果があります。

これらの雑草は、日本薬局方という、厚生省が定めた薬の基準の本にも記載されていて、効果が証明されています。

民間薬としては、他にもいろんな雑草が使われています。

例えば、ヨシは利尿薬としての効果として、

チガヤは炎症を鎮めたり、止血、利尿薬として、

カタバミは下痢止め、消化促進薬として、

その他、各種雑草がいろんな用途で使われています。

これらについても、他に、畑に生えて困っている草を調べてみれば、何かしら利用の仕方が紹介されているかもしれません。

子供の遊び

どうにも食べてもおいしくなさそうなもの、というのもあります。

薬にするニーズもない、ということもあるでしょう。

そんな場合でも、遊び道具としてなら、使い道は色々考えられます。

カヤツリグサ、という草は茎の断面が三角形になっているのが特徴です。

つまり、茎が三角柱の形をしています。

二人で両端から異なる面をひきさけば、蚊帳の模型みたいのものができます。

でも、子供はそもそも、蚊帳を知らないかもしれませんね。

エノコログサもいろんな遊び道具になります。

単純なところでは、穂を切り取り、親指と人差し指で輪っかを作ってその中に穂を逆さに入れ、軽く握ります。

そして、握ったところを振動させると穂がニョキニョキッと出てきます。

ただそれだけですが、意外と面白いものです。

あるいは、穂を切り取って机に置き、端っこの方を指で押さえると前に進みます。

何人かでレースをして遊びます。

イヌタデは別名赤まんまとも言われます。

赤いご飯つぶという意味で、おままごとの道具にされます。

こういう遊びを書いて行くと、何となく懐かしいような風雅なような不思議な気分になりますね。

人間には面白くなくても犬猫は喜ぶ場合も。

エノコログサでネコをじゃらして遊ばせるのは定番です。

メヒシバなどは、犬がよくかじったりするようです。

この前インターネットでメヒシバを販売しているのを見てびっくりしました。

お金を出してもいいから、我が家の畑のメヒシバを引き取ってもらいたいです。

自然農薬として

どうせなら農業利用できないか、といった観点からも考えてみたいと思います。

多くの植物は、アレロパシー物質というものを持っています。

アレロパシーとは、植物が作り出して放出する物質が、他の動植物に影響を及ぼす作用です。

多くの場合、相手の成長を抑える効果があります。

従って、この有効成分を抽出すれば、除草剤として使える可能性があります。

雑草の中で、他の植物の生育を抑える効果があるものとしては、

セイタカアワダチソウ、メヒシバ、ヤエムグラ、コニシキソウ、チガヤ、クローバー、ブタクサ、・・・など、多数あります。

雑草にはイネ科とキク科植物が多いですが、イネ科に対しては、ヨモギ 、セイタカアワダチソウ、キク科にはヒマワリ、ムクナなどに抑制効果が認められています。

これに関しては、私も実験してみたことがあります。

一度は、木酢液にセイタカアワダチソウの根を入れてアレロパシー成分を抽出し、これを畑にまいて除草効果があるか調べてみました。

しかし、残念ながら効果は実感できませんでした。

十分、アレロパシー成分が抽出できなかったのかもしれません。

もう一度は、セイタカアワダチソウの根を乾燥させて切り刻み、培土と一緒にポットに入れ、その中でコマツナを育ててみました。

その際には、根を入れていないものに比べ、顕著に発芽率が低下したり、発芽後の生育が悪くなりました。

やり方次第では、効果もあるようです。

これらは雑草防除としての使い方ですが、これだけでなく、害虫防除に使うことも考えられます。

前述の薬として紹介したヨモギやドクダミ、オオバコなど、は特に有効とされています。

除草にしても害虫防除にしても、煮出し汁を使ったり、アルコールや酢でエキスを抽出したりします。

しかし、除草や害虫防除には、これだけで万全というわけではありません。

植物間の競争ではアレロパシーよりも、光や養分の奪い合いの方がより影響が大きいです。

アレロパシーの寄与分は1~2割とも言われています。

別の方法をメインにして、補助的に使うのがくらいかと思われます。

緑肥

緑肥は、通常イネ科やマメ科の植物のタネをまいて、ある程度育って来たところですき込みます。

これにより、土壌改良の効果が期待されます。

しかし、すき込むために、タネを毎年買うのも、何だかもったいない気がします。

そこで、このかわりに雑草を使うことが考えられます。

ある程度大きくするために、肥料を少しまいても良いかもしれません

ただし、花や実をつける前にすきこみます。(でなければ、また雑草がはびこることとなります)

有機物利用

緑肥のように、そのまますき込むのは簡便でいいですが、一旦保存してておいて、あとでマルチ代わりにしたり堆肥の原料にしたりすることもできます。

ある篤農家の方は、畑の所々につみ草しおいて、必要な時にマルチ等に利用するそうです。

この場合、イネ科雑草が有機物の供給源としてよいのではないかと思われます。

その他

指標作物として、そこに生えている雑草の種類や、葉の色を見ることで、土壌のpHや肥沃度の目安として使えます。

エノコログサの背丈が高いほど土が肥沃になった、とかオオバコが生えていると酸性土壌だとかいった感じです。

他には、道路や川の斜面が雨で土が流れるのを防止するために、あえて雑草を生やしておきます。

植栽を買うのもいいですが、雑草でも事足ります。

ただし、見栄えが気になる場合は、こまめなカットが必要かと思われます。

まとめ

雑草を、徹底的に防除しようと思っても大変です。

時間も手間も、お金もかかります。

それよりも、利用する方法を考える方が楽しいかもしれません。

色んな方法を試してみましょう。

どんな雑草でも、調べてみると何かしらの利用法はあります。

例え、梅雨で除草に失敗して草ぼうぼうになっても、何かに利用して、「うまく育ちすぎて全部収穫できない」と負け惜しみを言いましょう。

参考にした本

草薙得一 近内誠登 芝山秀次郎編 雑草管理ハンドブック 朝倉書店

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