農作物栽培に、えひめAIを愛用しています。
もう5年以上になります。
えひめAIとは、乳酸菌と納豆菌と酵母菌を培養した液体で、洗剤として開発されたものです。
これを使うと野菜の育ちが良くなる、といわれています。
私も、幾つかの資材を試してみましたが、その中では最も効果が実感できました。
それに、作るのも安価で簡単にできますので、重宝しています。
作り方
えひめAIには、AIー1、AIー2と2種類あります。
AI-1は産業用、AI-2は家庭用で、製法は多少違いますが、効果は同じです。
AI-2の作り方は簡単です。
農業用にやや多量に20L作るとした時の作り方を示します。
・準備する道具
20L以上のタンク
入れる材料の重さを測るための秤量器(〜1kgまで)
納豆を潰したりヨーグルトをかき混ぜるための容器、スプーン等
・材料
納豆 40粒くらい
ヨーグルト 1000g
ドライイースト 80g
砂糖 1000g
工程
上記の材と水を混ぜて20Lにします(水18Lくらいになります)。
混ぜる前に、納豆はよく潰しておきます。
その後、一週間ほど暖房器具の横とか暖かいところにおいて十分保温すればOKです。
培養中は、泡が出て容器内の圧力があがるので蓋をゆるめておきましょう。
私は、保温場所としては車の中に入れています。
ただし、その際には車を運転するしているときに振動で中の液が溢れてしまう可能性がありますので、注意しましょう。
夏場ですと、外に置いておくだけでも大丈夫です。
保温と時間が十分でないと、培養が不十分となります。
不十分なまま数ヶ月間保管していたら、液の上に黒く変色したものができました(何らかの別の菌が繁殖)。
材料費をちょっぴり節約したいときには、その1
一旦少量作って、それを種菌にして二次培養することができます。
これにより、ヨーグルトと納豆代が節約できます。
その代わり、時間が二倍かかります。
最終的に20L、一次培養にまず1L作るとします。
その際には、納豆を4粒、ヨーグルトを50g、ドライイーストを4g、砂糖を50g、水900ccを準備します。
納豆をよくつぶし、ヨーグルト、ドライイーストとともに少量(50cc程度)の水でよくかき混ぜ、残りの水と砂糖を混ぜてペットボトルで1週間程度保管します。
その後、二次培養として、上記の液を約1リットルにドライイーストを80g、砂糖を1000g、水を約18L混ぜ、一週間保温します。
材料費をちょっぴり節約したいときには、その2
なんども継続して作っている人であれば、使い切る前に砂糖と水とドライイーストを足して培養することもできます。
前に作ったえひめAIの残りに、上記の二次培養と同じ量の材料を足して、一週間保温すれば出来上がりです。
前の液が100ccほど残っていたとすれば、それにドライイーストを80g、砂糖を1000g、水を約18Lを足すことになります。
注意点としては前の液の保管状態が良いこと。
三次培養、四次培養と繰り返していくほど、雑菌が繁殖してうまく培養できなくなる可能性が高くなります。
ちなみに私は瀬戸内の暖地に住んでいますが、培養は三次まででやめて、その次からは新しく培養し直しています。
できたえひめAIの保管
雑菌や害虫の侵入には気をつける必要が有ります。
出来上がったえひめAIは匂いも強く、虫も寄って来やすいように思われます。
しっかりと密封できる容器に保管しましょう。
コック付きのタンクに入れている場合は、使うとき以外コックを締めておきましょう。
以前、コックを締め忘れて保管していたら、中にウジ虫のようなのがいっぱい繁殖していて、衝撃を受けたことがあります。
液はこぼさないようにしましょう。
アリが寄ってくることもあります。
個々の菌の働き
えひめAIは3種類の有用な菌が互助関係を築きつつ、植物の生育や病害を抑える働きがあります。
まずは、個々の菌について特徴を見ていきましょう。
乳酸菌
最初に、乳酸菌。
乳酸菌といっても多くの種類があります。
えひめAIの原料のヨーグルトで使われる乳酸菌は、乳酸桿菌といって、2〜8ミクロンくらいの細長い菌です。
通性嫌気性の菌で、酸素がある状態でもない状態でも生育することができます。
乳酸発酵により糖や他の有機物を分解して乳酸を作ります。
この乳酸は酸性なので、pHを低くして有害菌の発生を抑える働きがあります。
また、この酸により土壌中のカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分を溶かし、植物に吸収しやすくする働きもあります。
納豆菌
次に納豆菌。
2〜3ミクロンくらいの細長い菌です。
枯れ葉やわら等に付着している、枯草菌の一種です。
納豆は蒸したダイズをわらで包むことにより、納豆菌が大豆を発酵させてできます。
納豆菌の作り出すタンパク質分解酵素のナットウキナーゼはタンパク質を強力に分解します。
灰色カビ病やウドン粉病などの病原菌もタンパク質でできているので、ナットウキナーゼで防除できてしまいます。
従って、納豆菌を用いた微生物農薬も市販されています。
納豆菌自身まで、自分の出した酵素で分解されてしまいます。
また、ナットウがタンパク質を分解した物質はネバネバで、これにより土が団粒化しやすくなります。
なお、納豆菌は好気性の菌で、アルカリ性を好みます。
従って、酸性のえひめAIの液の中は苦手で、表面に浮いて存在しています。
酵母菌
酵母菌は、5〜8ミクロンくらいの球状の菌です。
酵母といえば何と言ってもお酒、すなわちアルコール発酵が有名ですね。
ただし、アルコール発酵するのは酸素のない条件の時だけです(嫌気発酵)。
酸素がある好気発酵の条件では、糖や他の有機物をエサにして、アミノ酸や有機酸、ビタミン等のいろんな有効成分を作り出します。
以上、3つの微生物について簡単に特徴を述べましたが、こうして見ると、個々の菌自体が植物によい働きかけをしていることが分かります。
えひめAIはこれらを3種を同時に含みます。
そして、これらを単独に用いるよりも、一緒に用いる方が有利な点があるのです。
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